第50章 船大工職人
「なァおっさん、何かあったのか?」
「ん?ああ、この1番ドックでまた海賊達が暴れたらしくてな。まァ結果は当然職人達にノされておわりよ。バカな輩が後を立たない。」
「船大工が……海賊やっつけちまうのか。」
「あァ、君達は航海者か。あの人だかりは…まあつまりヤジウマだ。『ガレーラカンパニー』の船大工達は住人みんなの憧れの的さ。強くて腕があって…彼らは…“ウォーターセブン”の誇りなんだ!!!」
「へぇ…そりゃ楽しみだ。」
なるほど。じゃあ住人が海賊を怖がんなかったのは本当に強い用心棒がいたからなんだ。バカな海賊とか言っちゃってるのも、船大工達が強いからだ。
とりあえずちょっと船大工達は気になるんだけど、換金所へ向かった私達。ちゃんとした人を呼んでくれたから、いい値段になりそうだ。全部に目を通したあと、鑑定士は一気に汗を吹き出した。そしてポツリと呟く。
「い、い、1億……くらいです。」
「「い…1億ベリー〜〜〜!!?」」
「バ…バカ、声がでけェよ!!みんなに聞こえるだろ!!」
「ご、ごめん……」
「そんなに金くれるのかァ!!?」
「だからル…ルフィ!!!」
1億という、想像もしてなかった金額を言われてついつい大声を出してしまった。多分この声は換金所内に響きわたってることだろう。
「確かにそれだけの価値があります。歴史的にも純度も…素晴らしい黄金だ。」
「そんだけありゃあ充分メリー号を直せるな!!残りの金で全部銅像買ってよォ。」
「買うな、それは買うな。」
「好きなだけ服買えるねナミっ!!………ナミ?」
「ご納得頂けましたらさっそく換金の用意を…」
あんまり買えなかった服とか買い込むことができるかもしれない。我慢しなくて買い物できるって最高かよ、と思いナミに同意を求める。しかしナミは静かに目を瞑っていた。と、その瞬間ナミの足が机にドカン、と乗っかった。
「ひ!!」
「なんだ、どうしたナミ。」
「私の言いたい事は3つよ…鑑定士さん…1つ…言い忘れてたけど、コイツは1億の賞金首。2つ…今の鑑定に私は納得しない。3つ…もう一度ウソをついたら、あなたの首を貰う!!以上…」
ナミはニッコリ笑って鑑定士さんに語りかける。これは脅しだ…1億じゃ少ないっていうのか。搾れるものなら搾り取ろうということだな。そして私達は……