第50章 船大工職人
「ここは“水の都”、歩道よりも水路の方が多いからよ。住人にとっちゃブルは生活にかかせねー乗り物。この島を観光するのにも同じだよ。」
「あの魚が船を引いてるの?」
「引くっつーより乗せてんだ、背中に。まーー、陸でいう乗馬のような馬車のような………そこに生簀があるだろ。よいしょ!!まーー乗ってみな、快適だ。二人乗りの“ヤガラブル”2匹で2000ベリーだ。」
生簀をみると、たくさんのヤガラブルがいた。みんなニコニコ笑ってて、愛想のいい生物だなというのが第一印象である。とても可愛い。
「馬みてェな魚だな。」
「へーー、かわいい。」
「よしよしおいで〜!」
1番元気で、真っ先によってきてくれたヤガラブルに呼びかける。すると、スイスイと泳いでこっちまで来てくれた。可愛くて撫でていると、ベロンっと思いっきり顔を舐められた。
「お!気に入られたな!!そいつにしよう!!」
なるほど。やっぱり相性っていうものがあるのかな。この子は結構お茶目というか、イタズラ好きっぽいけど。
「こいつ重いの平気か?」
「そりゃ力はすごいぞ。引っ越しにも使える馬力だ!!その荷物か、中身は何だい?」
「黄金。」
「わははは、面白いな。まァ何にせよ大丈夫だ。」
あんまり力強そうには見えないけど……引っ越しにも使えるって結構な力持ちなんだね。凄いね〜、なんて撫でてたらニーニー!と嬉しそうに鳴いている。
「ほら。」
「うおーーー!!!くれ!!!」
「やるかっ!!」
「恐ろしく正直なおっさんだな。」
ほら、とガラガラと音を立ててみせるルフィ。黄金の輝きが眩しい…とかじゃなくて、今おじさんに黄金をみせる必要あった?確かに信じてないような感じだったけども。
「あんたも軽々しく人に見せるな!!!」
「何だ、減るもんじゃねェだろ。」
「おどろいたよ……さて、“ヤガラブル”2匹で100万ベリーだよ。」
「値段上がったぞおっさん!!!」
100万て……かなり思いっきり値段上げたなこの人。もちろん私達は上がった値段じゃなくて元の値段を渡したけどね。