第50章 船大工職人
私達はみんなより1足先に、大量の黄金を持ってウォーターセブンへ足を踏み入れた。船から出て少し歩いたところで、ウォーターセブンへの入り口が見えた。
「…………んん?」
「ここだけ?町への入り口。」
「“貸しブル屋”?」
「何だ?」
いや、入り口じゃなかったみたいだ。レンタルブルショップと書かれている看板があった。…何をレンタルするんだ?ブルってなんだろう。
「何を貸してくれるとこなの?」
「“ブル”って何だ?」
「知らねェブルドッグか?」
「んなわけないじゃん。」
ブルドッグ貸してどうするんだ。しかもブルドッグオンリーって……よほど好きな人なんか。もしかしたらこの町特有の生物なのかもしれないな。
「……ちょっと気になるな。」
「よし、すいませーんブル貸してください!!!」
「「まず何なのか聞けっ!!!」」
何の躊躇いもなくドアを開けて入っていくルフィ。私が興味あるって言ったからだろうか。だったら申し訳ないな。
「いらっしゃいブルだね?何人だい?」
「4人!!」
「何ブルにしようか。ランクは“ヤガラ”、“ラブカ”、“キング”。まァ4人なら“ヤガラ”2匹ってとこでいいね。」
「ああ、おいしく焼いてくれ!!」
「おかしいおかしいその会話!!」
優しく私達を歓迎してくれたおじさんは、2人用の乗り物を出してくれていた。ってことは…何か貸し自転車みたいなものなのかな。
「……あの、すみません。私達、ログでここにさっき来たばかりなんです。何を貸して頂けるんですか?」
「ほう、“記録(ログ)”辿ってここまで来たのかい!!やーー、そりゃたいしたもんだよおめーら。じゃ『ブル』なんて全然知らねェだろ。まァ早ェ話あれがブルだ。“ヤガラブル”、町中にいるよ。頭出して泳ぐ“ヤガラ”って魚がこの辺にゃいるんだ。」
おじさんが指差してる方を見る。すると確かに町中にいる人達のほとんどがそのヤガラブルって生き物に乗ってる。ここでは一般的なものなんだな。