第49章 ウォーターセブン
「あたしはチムニー!!猫のゴンベとココロばーちゃんよ!!」
「おめェら、列車強盗じゃね〜だろうな。んがががが!!」
列車……汽車ではないのか。いずれにしろ現代に似たよった乗り物だろう。
「おれはルフィ、海賊王になる男だ!!」
「ホント!?」
「ああ。」
「んががが、面白いねアンタ。」
そんな出会ったばっかりの、しかも一般人に向かって…確かに夢ってのは人に言って叶うともいうけども。そんなホイホイと言っていいものかとも思うよ。
「ねーチムニー。あれは蒸汽船でしょ?でもあんな形じゃ普通航海なんて…」
「見た事ないでしょあんなの。世界中探してもここにしかないよ!あれは“海列車”、『パッフィング・トム』っていうの。」
「『煙吹きトム』?」
何だ…この世界にあるのかと思ったら、ここしかない特別な乗り物だったんだ。これ考えた人すごいね…十分私の世界でもやってけるよ。
「ナミ、列車だから線路があるんだよ。」
「線路?」
「そうよ!!蒸汽機関で外車(パドル)を回して海の線路を進むの!!線路は水面の少し下を通ってて、列車は毎日同じ所をぐるぐる走って島から島へお客を運ぶのよ。」
「本当だ、確かにあるぞ線路。」
海の中にあるからゆらゆらと揺れてて分かりにくかったけど、ちゃんとある。そっか、移動手段になってるわけね。
「そうよ!!“仕切り”もあるのに船で入っちゃ危ないじゃないあなた達。」
「危ねェっつってもよ、カエルはそれわかんねェだろ。吹き飛ばすのはひどいぞお前。おれ達の獲物なのに。」
吹き飛ばされるのは酷いっていうのに、食べるのはいいんだ。自分が食べたかったカエルを引かれたからちょっと怒ってるのか?
「ああ…あいつは“ヨコヅナ”。このシフト駅(ステーション)の悩みの種なのよ。力くらべが大好きで、いつも海列車に勝とうとすんの。あれくらいじゃ死なないし、また現れるわよ!」
ヨコヅナ。だからチョンマゲしてたのか。いつもいつもぶつかってるの?そんな何回もはねられてよく生きてられるな。だからヨコヅナなのか。