第48章 大将青キジ
「…そんなバカな!!!迷わずおれ達の誇りを奪おうというのか!!!」
「いいよ帆は。それがねェとお前ら航海できねェだろ。」
「えぇ!!?なんて慈悲深い……!!!」
「だが、帆にも印(シンボル)が入ってるんだ!!!もうあれをかかげるわけには……!!」
「情けは無用だ、奪うもんは奪って貰うぞ!!」
ルフィのことだから、本当に情けで帆はいらないって言ったわけではないと思うんだけど。でも、負けは負け。だからしっかりルールを守ってほしいのかな。悔し紛れだろうけど。
「…………わかった。じゃあマークだけ貰えばいいんだから、おれが上から新しいマークに描きかえてやるよ。そしたら帆まで取らなくてもいいだろ。」
「麦わら………お前ってやつァ……!!」
余り感謝しない方がいいと思うよ。これが仮にとてもいい画家的センスを持ってたとしよう。しかしルフィはボロクソに言ってもいいほど、ヤバイ絵しか描けないのだ。まだ私のほうが上手いと言える。
「これでよし!!」
フォクシー海賊団一同、ルフィの描いた海賊旗を見て四つん這いになって撃沈してしまった。そりゃそうでしょ、ドクロも上手く描けないし、そのドクロっぽいマークの上にきつねとご丁寧に書いてある。
「めちゃめちゃ感謝されてる。」
「「「「「「してねェよ!!!」」」」」」
そんで自分が絵がヘタなんてこれっぽっちも思ってないんだもんな。誰がこの海賊旗を見て感謝するか。
『勝者!!“麦わらの一味”!!!デービーバックファイト、これにて閉会〜〜〜!!!』
お祭り騒ぎのノリで行われたデービーバックファイト。不本意な戦いだったけど、無事に勝ててよかった。フォクシー海賊団は早くも屋台や旗を回収し、撤退する準備を終わらせる。セクシーフォクシー号に行く手を阻まれていたメリー号も解放された。
「はー、よかった!!やっとメリー号が開放された!!」
「…おい!!麦わらァ、おーぼーえーてーろ〜っ!!!」
「どこまで面白いんだあいつら。」
捨て台詞を吐いてフォクシー海賊団は、この島を離れていった。できればもう二度とデービーバックファイトなんてものに出くわしたくない。ある意味忘れられない体験ができたけどね。