第48章 大将青キジ
船の上でそのまま気絶したように寝ていたルフィを回収して、とりあえずチョッパーに治療してもらっている。相手も相手で、フォクシーを無事に回収できたようで治療をしてもらっているらしい。
「まったく、無茶しやがって。こいつぅ、こいつぅ!!」
「つつきすぎだ!!!重症なんだぞ!!!コンニャローーーッ!!!」
「心配ばっかりかけて…!!何がアフロパワーよ。」
「ナミさん、アフロはスゴイんだって。」
ウソップが泣きながら嬉しそうに、凄い勢いでルフィの頬を突く。力が強過ぎて痛そう。そしてアフロのパワーを信じてるサンジの説得が面白い。
「…………あ!!気がついた。」
「ん…あ…あれ!?ゲーム!!ゲームは!?………おれ、勝ったと思ったのに夢か!?…………」
「大丈夫だ、勝ったよ……………」
起きて早々慌ただしい奴だ。ガバッ、と起き上がって焦って周りを囲む仲間に問う。しかし、ゾロの言葉で安心したのか、またそのまま倒れ込んだ。
「よかった…………」
さっきの慌てていたルフィとは一変変わって、本当に安心した顔をした。それを見て、何か私も胸がキュッ、となって。倒れたルフィを抱きしめた。というか、突進に近いが。
「うおっ……何だ何だ?」
「んん…ルフィ好き。」
「ししし!!おれもだ!!」
「は、」
「安心して観てたぞおれは。」
「ウソつけ。」
「考えたら、この船出て海賊やる理由はねェんだおれは。」
「フフ…」
考えたら、なんてね。みんなそうだと思うよ。ゾロはずっと賞金首稼ぎとして生きていただろう。ウソップは一人でもしかしたら海賊やってたかもしれない。サンジはバラティエから出てなかっただろうし、ナミはまだアーロンに支配され続けているだろう。チョッパーは旅に出ることなくドラム王国で医療に励んでいただろうし。私も麦わらの一味じゃなければ、海賊になんかならなかったと思うと、本当に凄い縁なんだな、と思った。