第7章 一人目
「はぁ、食った…!!さすがに9日も食わねぇと極限だった!!」
そう、ゾロは空腹で倒れたのだ。むしろ倒れなかったのがすごいくらい。9日絶食なんてやったことないから、どのくらいヤバイことになるか分かんないけど。
「じゃあどうせ1ヶ月は無理だったんだな。」
「おめぇは何でおれより食が進んでんだよ。」
ルフィは底なしの腹を持ってるからねぇ。
「すいませんなんか…僕までごちそうに…」
「本当だよ!!私なんて撃たれたんだからね!」
コビーは基地の外で成り行きをずっと見ていたみたいだ。ちょっとは協力してくれてもよかったのに。
「いいのよ!町が救われたんですもの!」
料理は全てリカちゃんのお母さんの手料理だ。めっちゃ料理上手だな。
「やっぱりお兄ちゃんすごかったのね!」
「あぁ、すごいんだ。もっとすごくなるぞおれは!」
「それで、ここからどこへ向かうつもりだ?」
「“偉大なる航路(グランドライン)”へ向かおう」
まあそういうと思ったわ。コビーから色々と教えてもらったし、グランドラインへ進まないと海賊王への道は辿れないみたいだしね。
「んまっ、また無茶苦茶な!!まだ3人なのに“偉大なる航路(グランドライン)”へ入るなんて!!死にに行くようなもんです!!分かってるんですか!?あの場所は世界中から最も屈強な海賊達が集まって来てるんです!!」
「まぁどの道“ワンピース”を目指すからにはその航路をたどるしかねぇんだ…いいだろう。」
「いいってあなたまでゾロさん!!?」
「別にお前は行かねぇんだろ……?」
「い…いか…行かないけど!!心配なんですよ!!いけませんか!?あなた達の心配しちゃいけませんか!!」
「いや…それは。」
「ルフィさん僕らは…付き合いは短いけど友達ですよね!!」
「あぁ、別れちゃうけどな。ずっと友達だ。」
コビーは嬉しそうに笑った。あの時、ルフィがエースとサボを連れてきたときのように。