第46章 グロッキーリング
第一回戦『ドーナツレース』。フォクシーのフザケた能力により奇しくも勝利を逃してしまった私達。いや、めっちゃ悔しいです。勝てる戦いだっただけ悔しい。
「第一回戦決着〜〜〜!!!さァさァでは待望の戦利品!!相手方の船員(クルー)1名!!指名してもらうよっ!!オヤビン!!どうぞ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
麦わらの一味全員に緊張が走った。ナミとウソップは自分が選ばれるだろうってさっき泣いてたけど……いざ、そういう場になってみると、もしかするとって思うね。
「まずは一人目…おれが欲しいのは…………!!!お前…!!船医!!!トニートニー・チョッパー!!!」
「おれ!!?」
チョッパー!?私も予想だにしてなかったし、本人も自分が選ばれるなんて思ってなかったんだろう。
「さー、早くこっちへ来い〜っ!!!」
「うフェー!!何という珍しい生物!!想像以上にふっかふかだなオイ♡」
「ゲロカワイ〜〜!!!」
「いやん!!オヤビン、私にも触らせて下さいっ♡」
「確かに貰ったぞ〜〜〜!!!」
ご指名早々にフォクシー海賊団にチョッパーは連れて行かれ、フォクシーにギュッ、と抱きしめられていた。私はこれ、どういう感情で見ればいいだろうか。いい年したおっさんが、ギュッ、なんて…
「チョッパー!!」
「あの野郎、狙いはチョッパーだったのか。確かに考えてみりゃあいつは珍獣の中の珍獣…」
「カワイイものマニア!?」
「毛皮マニアじゃないかしら。」
「言ってる場合かおめェら!!こりゃシャレじゃねェんだぞ!!!仲間取られたんだ!!!」
そっか、チョッパーは珍しいから選ばれたのか?可愛くてフカフカで、そんでなんと言っても医術が長けてるからなぁ…まぁそれが目的ではなさそうだけど。
「みんなァ!!!」
「おいおいDr.チョッパー、お前はもうウチの船医なんだぜ!?おれに忠誠を誓わねェか!!さァ、マスクをつけろ!!!」
「チョッパー…」
フォクシー海賊団の仲間入りをするには、キツネのような耳が生えてるマスクを付けることらしい。角があって、帽子があって、更に獣耳とか盛りすぎでしょ。