第46章 グロッキーリング
「チョッパー…………!!!」
「ごめんな!!チョッパー、おれ達が敗けちまって………!!!……………あァ!!!くそォ!!!」
チョッパーがこうやって相手側にいて、敵と同じ仮面をかぶって……でもやっぱりまだ敵に取られたって感覚はなく、まだ私達の仲間なんだと思ってしまう。
「みんな〜!!おで…ウゥ…おれいやだ〜〜〜〜〜!!!おれは…!!!お前達とだから海に出たんだ!!!ルフィ!!!ルフィが誘ってくれたからおれ……海に出たんだぞ!!!おれ、こんな奴らと一緒なんて、」
「ガタガタ抜かすなチョッパー!!!見苦しいぞ!!!」
泣いて喚いて、ヤダヤダと言うチョッパー。じわじわと罪悪感が体を蝕んでいく。何も言うことができないその時、私達とちょっと離れてたゾロが大声を出してチョッパーを叱咤した。
「お前が海に出たのはお前の責任!!!どこでどうくたばろうとお前の責任!!!誰にも非はねェ。ゲームは受けちまってるんだ!!!ウソップ達は全力でやっただろ。海賊の世界でそんな涙に誰が同情するんだ!!?」
「ゾロ!!?」
「男なら………!!!フンドシ締めて、勝負を黙って見届けろ!!!」
その力強い言葉で、チョッパーは出ていた涙や鼻水を無理矢理ぬぐい取った。そして、男らしくドカッ、と椅子に座り直したのだ。それを見てフォクシー海賊団はお〜、と声を上げる。
「よし!!!さっさと始めろ!!!二回戦!!!」
「うおーーーーーーっ!!」
「イカスぜあの剣士!!」
「オヤビン、次あいつ貰いましょう!!」
「トナカイも根性あるなァ!!」
「泣けたッス。マジ泣けたッス!!」
一斉に相手側が湧き上がった。主に男性の方達に人気が出たと思う。この男らしさ、男だったらきっと憧れるし凄いって思うんだろうな。ゾロの人気が上がった瞬間だ。
「よっしゃゾロ!!やっちまえこんにゃろー!!!」
「チョッパー取り返せーーー!!」
前向きになったのはチョッパーだけではない。ルフィとウソップまで元気になって応援を始めた。ナミは納得のいかないような顔だったけど、私はこういうの結構好き。