第45章 ドーナツレース
「でも…そんなバカな事が…」
「あり得ない!?わかっている筈だ、この海で…そんな幼い言葉は通じねェ!!『触れたものみなノロくなる』!!!それが“ノロマ光子”!!!」
「あァ、そうやって言えば分かるよおめェ。」
「おれは“ノロノロの実”を食って、そいつを体から発せられる“ノロマ人間”になったのだ!!!聞くよりも見ろ、この威力!!!ハンバーグ!!“ノロノロビ〜〜〜〜〜〜〜〜〜厶”!!!」
ハンバーグがフォクシーに向かって砲弾を撃った。それと同時にフォクシーはノロノロビームを放った。撃たれた弾は見事に速度を落としていた。
「げっ!!飛んでる、砲弾が!!」
「フェッフェッ……光を浴びた全てのものが減速する。人間がこの広い海のどれだけの理屈を知っているというのか…!!このノロノロ効果は約30秒だ。その後、速度を取り戻す。何事もなかった様にな。目を疑うだろう、これが…!!!」
「………3、2、1……」
「ノロノ…!!?」
「オヤビーン!!!」
「へっ、ざまぁ…」
約30秒だって言ってたから静かに数えてたら…ビンゴ。自分の能力の説明に意識がいってたのかなんなのか分からないが、元の速さに戻った砲弾に直で当たって黒焦げになったフォクシー。正直スカッ、としたよね。
「…畜生、つまりアレにやられたのか……」
「…あんなのでレースを妨害されたら…!!」
「こいつらのこのゲームへの妙な自信の根源はコレか…!!!フザケた能力(ちから)持ってやがる…!!」
いつもこうやってノロノロの力でズルして勝ってたのか。これ、私がレースに出ればよかったかな。よくよく考えれば、私の能力で水を操ってスピード出せば勝てたんではないか?……後悔しても仕方ないが。
「とにかくお前達!!わかったでしょ!?お前達は敗けたのよ!!!」
「第一回戦『ドーナツレース』!!!おれ達の勝ちだ!!!」