第45章 ドーナツレース
「おい!!ウソップ、ナミ、ロビン!!どうしたんだ!!」
「大丈夫か!!?」
「………………何が、どうなったのか。」
「おい…!!おれ達ァ敗けたのか!!?」
「勝ったと思ったら、お前ら急にノロくなって…!!抜かれちまったぞ!!?」
怒りを何とか押さえ込んで、脱力してるナミ達の元へ向かう。みんなもまだ敗けを認めきれないようだ。
「ええ、勝ったと思った瞬間…あの男の手から光を浴びて…体の自由を奪われた…………というより、私達とその周りの全ての動きが……遅くなった。船も、波も…」
「全て元通りになった時にはもう…敵はゴールに…」
「ゲガはないのか?みんな!!」
「あいつら何したんだ!!?」
やっぱりノロくなったのはナミ達だけじゃなかった。あとちょっとだったのにな…ゴールは目の前だったのに。
「そんで、ノロくなったのが分かったから…私が波ごと持ち上げようと思ったんだけど、殴られたからできなかったの!」
「……そっか、だからお前怒ってたんだな。」
ギリ、と奥歯を噛んでまだフツフツと沸いてくる怒りを押し込む。ルフィは納得のいった顔をしていたが、サンジは難しい顔をしていた。
「フェ〜〜〜ッフェッフェッ…何も不思議がる事ァねェよ。その原因は“ノロマ光子”!!!」
「“ノロマ光子”だと…?」
「この世に存在するまだまだ未知の粒子だ!!この光を受けたものは、生物でも液体でも気体でも………!!他の全てのエネルギーを残したまま、物理的に一定の“速度”を失う!!!」
「わからん!!!バカかお前!!!」
「逆ギレだ…」
「いやんオヤビン!!!」
確かに今のフォクシーの説明の仕方だと、ルフィには理解できないかもしれない。ルフィだけじゃない、チョッパーも…私も言葉じゃ理解し難いかもしれない。