第45章 ドーナツレース
「なまえちゃん、何食べたい?」
「ん〜………あ、ベビーカステラ食べたい!」
デービーバックファイトの開会式を行うだけでお祭り騒ぎだ。屋台は出るし、花火も上がるし、何よりフォクシー海賊団の遊びに全力であった。私とサンジは屋台をぐるっと回っていて、それなりに楽しんでいた
「はいよ、お嬢ちゃん!!オマケでちょっと増しといたぜ!!」
「えっ!!ありがとう!!」
こんな些細なことでもめっちゃ嬉しかったりする。オマケなんて貰ったことなかったからね。買ってくれたのはサンジだったけど、有難くカステラ大盛りにパクつく。
「ナミさんやロビンちゃんはどうしようかな……」
「綿あめでいいんじゃない?美味しいし♪」
サンジは近くにあった綿あめ屋台を見つけて、2つ買っていた。ナミはともかく、ロビンはきっと甘いもの食べない気がするが…
「さーーて野郎共っ!!騒いじゃいやん!!!“敗戦における3ヶ条”を今から宣誓するわよ!!一つ!!『デービーバックファイトによって奪われた仲間・印(シンボル)、全てのものはデービーバックファイトによる奪回の他認められない』。一つ!!『勝者に選ばれ引き渡された者は、速やかに敵船の船長に忠誠を誓うものとする』。一つ!!『奪われた印(シンボル)は二度とかかげる事を許されない』!!!以上、これを守れなかった者を海賊の恥とし、デービー・ジョーンズのロッカーに捧げる!!!守ると誓いますか!?」
「誓う。」
「誓う!!!」
開会式の舞台で2つの海賊団の船長が座っている。ルフィは緊張感が全くなく、焼きそばをひたすらすすっていた。まあいいか、いざとなればやる男だ。
「オーソドックスルールによる“3コインゲーム”を…デービー・ジョーンズに報告!!!開戦だァ!!!」
オーソドックスルールって言うのが怖いなぁ。本当にそのままなのかな…海賊だからゲームもルールも邪魔もありとかだったら本当にズルすぎる。
「おーーい、何か紙貰ったぞ!!」
「紙?見せて。」
ルフィが見せてくれたのは、勝負種目が書かれたものだった。ふーん、なるほど、レース・球技・戦闘……戦闘だけ海賊っぽいがそれ以外はどうも凶暴そうなイメージが沸かない。私だったら球技がいいな。