第44章 長い島
「シェリー、よかったね。」
「そうかー、あの馬ここでずっと竹馬のおっさんを待ってたのか。いいやつだな。」
「きっと竹馬のおっさんが大好きなんだ。」
私達は、嬉しそうに草原を駆け回っているシェリー達の近くに腰掛けてそれを眺めていた。走ってる様子はトンジットさんが言ってたとおりとてもキレイで、長い馬って絵になるな、と思う。
「しっっかし、速えぞあの馬!おれも乗りて〜〜!!」
「ホントに優雅に走るもんだな。」
はしゃいで高く飛び上がったシェリー。トンジットさんはしょうがないな、というふうに笑ってて。私達は微笑ましくその光景を見てたんだけど…
パァー…ン!!!
銃声がしたとともにあんなに景気よく走ってたシェリーが倒れた。いきなりのことで、私達は慌てて立ち上がる。
「馬ーーっ!!!おっさん!!!」
「おい大丈夫か!?」
「銃声が聞こえた!!撃たれたのか!!?」
ウソップとチョッパーが真っ先にトンジットさん達のところへ走っていった。銃声…ということは、私達の見えないところから撃ってきたってことだよね。
ガサガサ…
「…っ、誰!!?」
後ろの茂みから音が聞こえた。咄嗟に水を飛ばして攻撃をする。シェリーを撃ったんだから、もし当たっても別にいいよね。
「ルフィ、あそこ。」
「ん!?」
「ホイホイホイホイ!!フェッフェッフェッ!!!」
私の攻撃は当たらなかったらしいけど、場所がバレて出てきた3人組。見たことない、海賊だろうか。1人が銃を持っていることから、あいつが撃ったってのだけ分かる。
「その馬はおれが仕留めたんだ!!!おれのもんだ!!!さわるんじゃねェ!!!」
「そーよそーよ!!その馬はオヤビンのものよ!!」
え、何?仕留めたって、元々シェリーはトンジットさんの飼い馬でしょうに。それが海賊と言う奴か…同じ海賊だけどこうも違うと嫌悪感だわ。