第44章 長い島
「一つの島に3年なら、1周してここへ帰ってくるのはやく30年後。おっさんが竹馬に乗ってた年月を引いてもあと20年近くはみんなと会えねェわけだ。」
「……………そうなるな。せめて一頭のウ〜〜〜〜マがいれば…1年おきに島を渡ってみんなを追えば、5年もあれば追いつくだろうて。」
「ウ〜〜〜〜マ?」
「そうだ、この島で最も美しい動物さ。草原をかける姿など何とも優雅で…島から島への移動には、コイツがいなきゃ始まらん。力もあって、大きな荷物も運べる。人の足で島を渡っていてはすぐに潮が満ちて、移住どころではないからな。」
「船で行けばいいじゃねェか。」
「おれ達ァ航海術など持ってねェ。それに…この島で記録(ログ)をためても、ログポースはとなりの島を指しはしねェ。10の島はそもそも一つの島だからな。いいさ、20年ここで待つとも。」
「………淋しいぞ…………?」
そっか、ロングリングロングランドってドーナツみたいに繋がってるだけで船じゃ行くことができないだ。それほどまで一つ一つの島が遠いんだろうか。20年も一人で待つっていうのは、絶対に淋しい。ルフィもそれは分かったみたいで、少し悲しい顔をしている。……ん?ちょっと待って、馬?
「あれ?もしかして、ウ〜〜〜マって“馬”か?」
「だよね、やっぱり馬だよね!!トンジットさん、シェリーって子が外に……」
「おお……!!!シェリー!!!お前…!!!おれを…待っててくれたのか!?」
「ヒヒーン!!」
やっぱりシェリーはトンジットさんの馬だったんだ。ずっと、10年間トンジットさんを待ってただなんて、何て感動的な話なんだ。
「おおシェリー!!何て可愛いやつだ!!懐かしいなシェリー!!見ねェ内にずいぶん長くなりやがって、おォ……!!よしよし。」
「ヒヒ〜〜ン♪」
「お前…何年も一人ぼっちで淋しかったろうな…!!ありがとうなァ、ありがとう、もう二度と離れねェぞ!!」
感動の再会を果たし、トンジットさんはシェリーに乗って草原を駆け回っていた。シェリーもとても嬉しいみたいで、本当に嬉しそうに駆けていた。見ているだけでもこっちまで笑顔になってくるのだ。