第44章 長い島
「猛獣もいるからいるから気をつけろ。見ろ、あれはユキヒョ〜〜〜〜〜〜ウだ。」
「ヒョウ!?」
「噛みつかれるなよ。」
「何であれだけ横長なんだよ!!!」
ヒョウが野生としていると思い怯えるウソップであったが、そのヒョウが顔面が横長に伸びているのを見て思わず突っ込んだ。あれじゃヒョウでも怖くないわ。
「ウチへ来い。お前達には恩がある、もてなそう。」
「やった!!」
「この村では家畜から搾ったミルクが常用飲料だ。」
「村なんかどこにあるんだ?」
「家畜も。」
「ああっ!!村がねェ……!!家畜達もいねェ!!」
「何を今更…いくら10年過ぎたって村がなくなるか?」
今知った、みたいな驚愕な顔をするトンジットさん。確かに10年そこらで村が無くなるなんてあり得ない。海賊に襲われた、みたいな形跡はないわけだし…
「ああいや…まあそれはゆっくり話そう。それよりもてなそう、ミルクなら蓄えがあったはず…………ん〜〜♪」
「ミルクの蓄えって…おっさん竹馬に10年も……………」
「このチーズがお口にあうか。」
「目をそらすな、お前これ10年前のミルクだろ!!!」
ミルクだと鍋の中から出してきたのは腐ったチーズ。これまた凄い異臭を放っていて、絶対食べたらお腹壊すに決まってる。
「そうか、じゃあまあ適当にくつろいてくれ。ところでさっきの話だが、」
「え…おっさん、このチーズ食えるのか?」
「やめとけって!!」
こんなに異臭を放ってるっていうのに、気にしないでパクパクとチーズを口に放り込むトンジットさん。いやしんぼのルフィがそーっ、とチーズに手を伸ばすが、ウソップがその手を叩く。