第44章 長い島
ドッカァー…ン!!!
家の丁度裏から大きな音が聞こえてきた。ルフィ達が行った場所だ、何かあったのだろうか。
「何、どうしたの…っ?」
「敵かも知れないぞ!!そこに隠れてろよ!」
シェリーに家の影に隠れてもらって、私とチョッパーは慌てて音のした方へと向かう。そこにはルフィとウソップが何やら突っ立って見下ろしていた。
「どうしたんだ!?」
「…………それがよ…竹を割ったら、精霊が現れた。」
「…………は?精霊?」
「だって竹を割ったら現れたんだ。」
まず竹を割った経歴を教えてほしい。そして竹を割ったら出てくるのはかぐや姫で、決してこの人のようなお爺さんじゃない。落ちてきたんじゃないの?それも不思議だけど。
「…………おい…お前、何か喋れ。」
「…………勿論憶えてるとも、久しぶりだな。元気だったかお前ら。」
よかった、見た目通り普通の人だ。竹から出てきたなんてルフィが言ったから、種族が違ったらどうしようなんて考えてたから。それにしても、久しぶりって…どういうこと?
「え?…誰か知り合いか?」
「おれ知らねェ!」
「おれも。」
「私も…」
「ああ、道理で見た事ねェツラだと思った。」
「テキトーだなおい!!何者だおっさん!!!」
知り合いかと思えば、みんな全然知らない人で。じゃあ誰を知ってるのよって思ったらお爺さんも見覚えないとか。何だこの人。
「あの、あなたは誰?」
「おれの名はトンジット。とにかく礼を言おう。お前らだな、おれを竹馬から突き落としてくれたのは。」
「竹馬?」
「あっ!!本当だ!!」
竹馬って…と思い倒れてる長い竹を見ると、確かに長い長い竹の先端に足を引っ掛ける場所があった。これか、ルフィが割ったって言った竹は。