第44章 長い島
「島が見えてきた…!!」
「何もね〜っ!!!」
そう、何もない島だったのだ。見えるのは妙に細長い木や奥まで広がる草原のみだ。人が住んでいるかも怪しい。
「なんじゃここは!!すげー!!!見渡す限り草原だ…」
「あァ…何つう色気のねェ場所だよ。」
「人は住んでいるのかしら…」
「うおーーー!!大草原だー!!!」
「コラーッ!!」
ルフィ、ウソップ、チョッパーの3バカが我先へと飛び込んでいった。草原しかないというのに、こんなにはしゃげるのも凄いと思うんだけど。子供だなぁ…
「ほら!!何してんだなまえ!!先行っちまうぞ〜〜っ!!!」
「えっ……マジ??」
私も行くことになってたの?初耳だよ。ナミの顔色を伺いつつ、先へどんどんと進んでいく3人を追っかける。人か誰かいたら教える、と約束して。
「おーーい!!待っ……何これ!?」
「お、なまえ!!どうしたっ……………」
「「「は??」」」
ルフィ達がキョロキョロと草原を歩いてるのが見えて駆け寄るが、ある生き物に目を奪われて止まってしまった。多分、クマ…なんだろうけど、いやに縦長だ。
「ひと?」
「バカ、あんな毛深い人間がいるかよ!クマだぞアレ。」
「長っ!!長えよ!!熊が長え!!」
「辺りの木もよく見りゃノッポだな。」
「おいコレリンゴだぞ、長ェ!!んめェ。」
「食うな!!」
クマも木もリンゴも全部が長細い。何となく不思議な世界へ来てしまったような感覚に陥ってしまう。何だこれ、しか言えない
「ん?おい見ろ、あれ民家じゃねェか?」
「ほんとだ、そんな感じだな。人が住んでんのか。」
「船大工いるかな。」
「いたら逆に凄いよ。」
だだっ広い草原の中心に、ポツリと1軒だけ家があるのだ。1軒だけっていうのに少し引っかかりはするが、まずなんでこんな何もない島で暮らしているんだろうか。その民家へ行く途中、クマに負けず劣らずの細長い生き物達が通り過ぎる。キンモ…