第44章 長い島
「景気の悪ィ奴め!!いいか!!島が見えたらこう言うんだ。」
「野郎共〜〜!!し〜〜まが見〜〜えたぞ〜〜イ!!!やっほーーーう!!」
「言ってみろ、」
「わりと霧が深いわ。」
ルフィの懇親の叫びもロビンは無視だ。そういうところ結構好き。私だってそんな風に叫んで知らせたくないもん。ロビンがやるなんて想像もつかない。
「霧か…危ないわね。チョッパー、前方確認任せたわ!!」
「ヘイ!!」
「お前なァ、おれ達がどれだけ島を楽しみにしてると思ってんだ!?」
「ごめんなさい。気をつけるわ。」
「そうか、気をつけるならいいや。」
そして謝ったら許すルフィ。ルフィは島が見えるとすぐワクワクドキドキしていてもたってもいられなくなるもんね。確かに新しい島を見るたびにどんな島だろって思うけども。
「ところで…さっきの船、気にならねェか?船長がいねェとか…航海士がいねェとか…旗はねェは帆はねェわ、やる気もねェわまとまりねェわで…海賊の一団として成り立ってねェんだ!!」
「海戦でもやって負けたんだろ。で、船長が死んで……色んなもん奪われて…」
「いやいやそれがよ…!!よく船も見たんだ、そしたら戦闘の形跡もねェんだよ!なのに海賊にとって“命”とも言えるようなもんがあの船には何もなかった!!」
「じゃ海賊じゃねェんだろ…気にすんな。」
「…………………んー……どうみても海賊だと思うんだがな、あいつら…悪い予感がするぜ…」
「いつもそうだろ。」
戦った跡は無いのにあのやる気のなさ。海賊っぽいのに海賊旗がなく帆もなく航海する気がないような船。船長や航海士がいなくて海賊、ましてや海に出るなんて自殺行為だ。ということは、前はいた?それで死んだか…奪われたか。
「さーて、町があるかなー!!造船所があるといいなー!!」
「ルフィ、すぐに上陸しちゃダメよ!」
「海岸が見えた!!イカリの準備!!」
「オウ!!」
「うわっ…!!おいみんな聞いてくれ。」
「チョッパー!ウソップが『島に入ってはいけない病』だ。」
「!!ウッ………!!」
「それは治せねェ。」
さすがに結構多様してきたから、みんなにももうウソップが何を言うのか分かったらしい。もうこの手は使えないぞ、ウソップ。あの海賊のことについては考えても答えが出ないため、1回考えるのを止めよう。それより目の前の島だ。