第44章 長い島
「野郎共!!立ち直れ!!敵船だぜ、宝を奪うぞ!!!」
「波だ、待て大波がきてる!!避けるのが先だ!!!」
「あの船に逃げられちまうぞ!!」
「大砲を用意しろ!!!」
「オイ、誰に命令してんだ!!」
「てめェがやれ!!」
「舵!!舵舵!!」
「おい、勝手なマネするな!!!」
私達を見ていきなり立ち上がってやる気を見せたと思ったら、みんなやることがバラバラ。声かけ合って動いたらいいのに、今までどうやって航海をしてきたと言うんだ。
「なんてまとまりのねェ船だ。」
「宝を奪えたと。やっぱ敵だ、放っとけ。」
大波が目の前にきてるというのに、相手の船の中はバタバタとしていてとても逃げ切れそうにない。
「舵どっちへ!?」
「知るかァ!!」
「誰か号令を!!航海士〜!!」
「いねェよ!!」
「船長〜〜!!」
「いねェよ!!!」
「だめだ!!のまれる〜〜〜!!!」
「誰だ!!?大砲撃ったのは!!!」
「畜生ォ〜、使えねェ奴ばかりだ!!!」
「てめェもだろ!?」
「波一つきり抜けられねェのかァ!!!」
そしてまとまらない海賊船らしき船は、シーモンキー達の波にそのまま飲み込まれてしまった。なす術もなく飲み込まれた船を、私達はただ唖然と見ることしかできなかった。
「ふー、おさまったか……………」
「というより、あの大波はシーモンキーのいたずらよ。」
「湿度も気温もずいぶん安定してるから、もう次の島の気候海域に入ったんじゃないかしら。」
ナミの指示でなんとかシーモンキー達の大波から逃げ切ることができた。大波がなかったかのように静かな海に戻ったところでやっと安堵できた。
「おいロビン、なんか見えるか?」
「島がずっと見えてるわ。」
「「言えよそういう事は!!!」」
ロビンが見張りとなっていたが、どうやらさっきから島が見えていたらしい。ルフィやウソップの言うことはもっともで、島が見えたら何かしら言ってくれないと私達は分からないぞロビン。