第44章 長い島
「だいぶ落ちついた。油断はできねェが………」
この感覚も久しぶりで、やっと帰ってきたんだって何か感慨深い感じがした。それはともかく大波をナミの指示で難なく突破し、静かな海へと戻った。ルフィはさっそく手土産…空行く前に拾ったから手土産ではないけど、パガヤさんにしっかり直してもらったウェイバーに乗っていた。が…
「ぶへ!!ぶほ!!」
「っとに。」
「ハハハ、だから無理なもんは無理だっつったろ。」
もちろん上手く乗れるはずもなく、ルフィは無様にふっ飛ばされてしまった。それを見てやっぱりか、とブツクサ言いながらウソップが助けに行く。
「空の海じゃダメでもよ……ごっちの海ならって…思っ…」
「医者〜〜〜!!!おれだ〜〜!!」
「結局乗れるのはこの海でもナミだけか。」
「ナミさ〜〜〜ん♡気をつけて〜〜〜♡」
ナミはウェイバーに乗ってスイスイと海を走る。やっぱりナミは凄いんだなぁ…私も乗りたい気持ちはあるが、ルフィみたいにふっとばされるのも嫌だ。……海を操れる私でも乗れないのかってちょっと気になるところではあるが。
「“貝(ダイアル)”は…“雲貝(ミルキーダイアル)”だけだめだ。」
「ああやって雲が形になるには、空島の環境が必要なのね…」
「他のやつでも充分珍しいぞ。よかったじゃねェか…」
ウソップがさっそく手土産のダイアルを広げている。問題のミルキーダイアルは、確かに殻頂を押しても空気が出てくるだけで雲が出てくる気配はしない。
「………ウソップ、いらないなら私にそれ頂戴よ。」
「え?“雲貝(ミルキーダイアル)”をか?いいが、何も使えねェぞ?」
「大丈夫!!」
6個のミルキーダイアルを貰い受けて、1回誰もいない甲板へと上がる。雲が技として使えるようになったはいいが、まだどうやったら使えるか模索中なのだ。慣れるまで、ダイアルに頼ってもいいんじゃないかと思った。貝に雲を貯めればいいだけで、あとは好きな形を出すミルキーダイアルをその時の用途で使えばいいだけ。私にとってはとても便利なダイアルである。
「さて、お待ちかねっ!!海賊のお宝は山分けと決まってるわ!!これだけの黄金だもの、すごい額よ!!」
さっきの津波で運んであった黄金があるキッチンにて、待ちに待った黄金の山分けが行われようとしていた。お金の管理と言えばナミ、彼女の振り分けが大事となるが…