第44章 長い島
「イよォっ!!!」
「待ってたぞーっ!!銅像買うんだおれは!!!」
「本買っていいか!?」
「新しい鍋とフライパンと………食器に巨大ねずみ取り。」
「飲み放題だなコリャ。」
「まず私のへそくりが8割。」
「「「「「いやちょっと…」」」」」
ナミがごっそりと黄金を分け始めたのを見て総突っ込みをする。8割って多すぎやしないかい?そんなに持ってかれたらさすがの私でも怒るぞ。
「冗談よ…」
「あたりめェだ!!!」
「んなおおっぴらなヘソクリがあってたまるか!!」
ナミの冗談は冗談に聞こえないんだよなぁ。みんなが突っ込まなければ、本当に8割ヘソクリにするつもりだったんでしょ。それはともかく、この8割は船の修理に使おうとナミが提案してくれた。
「船を?このメリー号をか?」
「そうよ。もうボロボロじゃない。」
「そりゃいい!!!GM号大修理!!!大賛成だ!!」
私も結構前から思ってたことだ。これからもっと厳しい海を渡っていくのなら、これじゃ多分他の船にも負けてしまう。できるのであればそのまま大きくして、大砲とかいっぱい入るようにしたい。
「じゃ…それにいくらかかるかわかんないから、宝の山分けは保留ね。」
「そうだな。ウソップのツギハギ修理もさすかに限界だし。」
「言っとくがな、おれは!!『狙撃手』だ!!」
「ああ…本格的に造船ドックに入れて、本職の船大工に修繕して貰った方がいい…」
「へーー!!ウソップより直すのがうまい奴がいるのか。」
「チョッパー、ウソップは器用なだけで本職の人には敵わないよ。」
サンジの手作りサンドイッチを摘んでみんなで話し合う。お、これはフルーツサンドだ。私、自分の世界でもここでも造船ドックって行ったことないから楽しみだな。
「考えてみりゃ、“東の海(イーストブルー)”のおれの村からずっとおれ達を乗せて航海してくれてんだ。たまにゃあしっかり労ってやんねェと、バチあたるってもんだぞ。」
「だったらよ。“船大工”、仲間に入れよう!!!旅はまだまだ続くんだ。どうせ必要な能力だし、メリーはおれ達の“家”で!!“命”だぞ!!この船を守ってくれる“船大工”を探そう!!」
家で命、ね。たまにはいい事言うじゃないルフィ。久しぶりに聞いた船長らしい意見、みんなも意外だったらしく黙ってしまった。