第44章 長い島
私達は空島から青海へ帰る途中で、コニスが呼んでくれたタコバルーンで空中散歩を楽しんでいた…はずだった。なんとそのタコ、頭は空気だったみたいで青海が見えてきたと同時にタコが萎んで…そのまんま落下してしまった。
「ぐあーっ!!」
「痛てててて!!!」
「ううわあ〜〜っ!!」
「冷てェ〜〜っ!!」
無事とは言えないが何とか着水。船引っくり返るよりは全然良いんだけどもね。勢いよく着水したおかげで水が入ってきて全身びしょ濡れになってしまった。最後まで安全に帰れるって保証してくれよ。
「ハァ…ハァ…びっくりした、急にタコが縮むんだもん…!!」
「どうなってんだ!?」
「空気もれかしら………」
「ハァ………………!!でも…何とか着いた…死なずに…お前…ありがとな……!」
一緒に落ちてきたしぼんでるタコを掴んでお礼を言う。私的には丁寧に運んでほしかったのがあるが…まぁいいか。
「海が…青い…」
「………しかし…………すげーとこに行ってたんだな。」
「落ちてみると……また遠い場所ね……」
「あの鐘の音ってここまで聞こえるのかな…」
「夢でも見てたみたい…」
「夢の国だもんなーー…またいつか行けるかな。」
「死にゃ行けるんじゃねぇか?近くまで。」
「ゾロ、お前天国に行ける気でいんのか?」
夢の国ね。でも正規ルートがあるってことは安易ではないだろうけど、行けることは行けるってことなんだよね。ルフィなら絶対に、世界中一周して海賊王になってからまた来るって言い出しそう。
「野郎共〜!!!帆をはれ〜〜〜〜!!!行くぞ次の島〜〜!!!」
「おいちょっと待てよルフィ、少しは休ませろ!!」
みんなまだバテバテで息が整っていない。さっき落ちたショックで私もまだ休んでいたい気持ちである。
「甘い甘いっ!!そんな事言ってられる海なら誰も苦労しないでしょ!?波が少し変なの。」
「んなコト言ってもおめー。」
「さァみんな動いて!!“とり舵”!!」
波がおかしい、と言ったすぐ後にやって来た大波。しかも大波にサルが何匹か飲み込まれてない?飲み込まれてるんじゃないのか、泳げるサルなのか。でもこれで嫌がってたウソップも動かざるを得ないだろう。
「ほら来た。」
「うおあああああ!!!」
「全速前進ーーっ!!!」
「大波だ〜!!!」