第43章 終焉の歌声
「船に乗れ!!もうここにはいられねェ!!ほら見ろ大漁っ!!!金持ちになった!!!袋にパンッパン。」
「おい待てお前ら!!!待ってくれ!!」
「ほら見ろバレたぞ!!!」
「逃げろ〜〜〜〜!!!」
「おーーい!!待て君達!!」
それにしては優しい声で私達を止めるのね。もっと盗られちゃいけないものだったら怒ると思うんだけど…気になるのは私だけ?ルフィはもう走って行っちゃったし。
「待て待て待てと呼ぶがてめェら!!」
「おォ!!言ってやれウソップ!!」
「命を賭けて!!!はるばる来たこの空島の!!!世に伝説の“黄金郷”!!!誇り高き海賊様がっ!!手ぶらでオチオチ帰れるかってんだァ!!」
そう啖呵を切ったウソップにたじろぐ空の人達。何でわざわざそんな海賊として当たり前なことを言うのかな。やっぱりあんまり盗るってことをやってこなかったからだろうなぁ。ロビンはそれを見て、2、3言言葉を交わし走ってきた。
「逃げろ〜〜〜〜〜っ!!」
「「「「「待てェ〜〜〜!!」」」」」
追いついたロビンにあの包んであるやつは何?と聞くと、ロビンは可笑しそうに黄金だ、と答えた。あの大鐘楼の柱だったんだそうだ。慌ててルフィを止めようとしたんだけど、ロビンがとても嬉しそうに止めるから惜しいな、と思いながら無理矢理諦めたのはここだけの話。
「「「黄金!!黄金!!黄金!!」」」
スカイピアの下層、白海まで逃げることに成功して私達は目の前に広がる黄金にテンションが上がっていた。どこを見ても今までなかった光景が広がっていて、やっと海賊らしいと思える。
「ついにおれ達は大金持ちだぞ!!何買おうかっ!!?でっっっけェ銅像買わねェか!!?」
「バカ言え何すんだ。それでここは大砲を増やすべきだ!!10門買おう!!」
「ナミさん♡おれ鍵付き冷蔵庫がほしい〜!!」
「おれなァ!おれはなァ!!本が買って欲しいんだ!!他の国の医学の本読みてェんだ。」
「酒。」
みんなそれぞれ欲しいものを言ってる。ルフィの銅像は絶対に要らないでしょ。ウソップの大砲は……果たしてこのメリー号に乗るのだろうか。サンジのは結構私的には賛成である。毎晩毎晩冷蔵庫泥棒が出るからだ。主に犯人はルフィであるが、続くと私達の食糧が無くなる問題が出てきちゃう。