第43章 終焉の歌声
「珍しいな、お前ェは黄金の方が興味あると思ってたよ。」
「う〜…ん、どうせ持って帰るんだから後で見れるじゃん?ダイアルはここでしか見れないし。私も欲しいし?」
「ふ〜…ん、…あ、じゃお使い頼んでいいか?」
「お使い?」
「船によ、でっかい鉄板があるんだ。空の奴らが鉄に興味持ってたから、交渉に使いてェと思って。」
じと、とウソップを見る。空を飛べる私だったらすぐに持ってこれるだろ、なんて笑う。かなり面倒であるが、交渉して貰ったダイアルを分けてもらうということで承諾した。すぐ様氷を出して空を飛行する。島の端でシャンディアとエンジェル島の人達が島雲に沈みかけてる大鐘楼を引っ張り上げてるのが見えた。よかった、見つかったんだな。
「よし、到着っと……鉄板鉄板…」
船に入り、ウソップ工場へと行く。工具系は全部ウソップが管理してるから、ウソップ工場に直接行ったほうが早いのだ。端っこで丸まってる鉄板を発見してすぐまた戻る。1束でよかったかな……あまりあげちゃうと、メリー号を修復するための鉄板がなくなっちゃうだろうし……
「ウソップ〜〜!!」
「おっ、早ェな!!」
ウソップはもう既にエンジェル島の人達との交渉を始めており、楽しそうに話していた。何を交渉物にしたのだろうか、エンジェル島の人達が持ってるものを見ると…
「………え、輪ゴム…?」
「おい、ワゴームと言え!!」
ワゴーム?エンジェル島の人達を見ると、それはとても珍しそうに輪ゴム…ワゴームを見ていた。そうか、空島には輪ゴムというか、ゴム自体が珍しいものだからか。
「この前おれ様が神官を倒したのは、9割がその“ウソップ輪ゴーム”の力だ。世界中でおれしかもってねぇ。でも待て、今はそれじゃなくてこの“鉄板”!!“鉄”ほしいんだろ?わざわざ船から取ってきてくれたんだ!これと“貝(ダイアル)”を交換して…」
「いや、“ワゴーム”がいい!!これとなら交換してもいいぞ!!」
「おれも欲しい!!いいか!?」
そしてどんどんと交換されていくワゴーム。ウソップは戦闘に使えるように輪ゴムをいっぱい持ってるから、ダイアルも増えていく。戦闘で輪ゴム使うってどういうことなんだろうね。そして袋パンパンのダイアルを手に入れてホクホクのウソップだった。