第6章 海賊狩りのゾロ
ルフィはさっさと基地の中へ入ってしまった。私は仲間になるゾロの縄を解いてやるだけだ。ゾロの結び目に手を伸ばすと…
「おい、いいのか!おれに手を貸せばてめぇが殺されるぞ。」
「何いってんの!あんたが捕まる理由はないはずでしょ!ルフィは戦闘担当、私は裏仕事担当。だから、ゾロを助けるんだよ。なによりルフィは海賊王になる男なんだから、ゾロみたいな強い仲間が必要なの!」
「何?か…海賊王だと…!?意味わかって言ってんのか!!」
「うん?大丈夫、意味分かってると思うよ。ルフィは本気で海賊王目指してんの。そういう男なんだよ。」
パンッ!!!
え、と思った瞬間。気づいたら倒れていた。左肩に焼けるような激しい痛みを感じる。そっ、と見ると、左肩から見たことないような大量の血が流れ出ていた。これ、私の血か?て言うか私今……
「え……………?撃た、れた…?血が……」
出てきた声は凄く震えていて、あぁ、撃たれたんだなって言うのが分かる。銃って撃たれるとすぐ死ぬわけじゃないんだね。そんなの知りたくなかった。
「…………生きてたか。すぐ逃げろ。あいつらが下りてくるぜ。」
基地の屋上から撃たれたのか。そこからなら私が磔場にいるっていうのが見えちゃうもんね。
「…はっ、はぁ………うぐ、……バカ言わないで、アンタの縄解かないと……」
本当はすぐに逃げ出したい。だけど、ゾロだけは、ゾロだけは逃さないと。体に力が入らないけど、なんとかしてゆっくりと立ち上がる。
「おれはいいんだ、1ヶ月耐えれば助かるんだから。早く行……」
「助からないよ!!ゾロは3日後に処刑されるんだから!!」
そっか、ルフィがあの時怒ったのはゾロとの約束をあの七バカが破ってたからだったんだ。そう思ったら、やっぱりルフィがあの時殴ってくれて正解だったと思う。
「何言ってやがる…!おれはここで1ヶ月生き延びれば助けてやるとあのバカ息子が約束を…」
「そんな約束!初めから守る気なんてなかったんだ…だからルフィはあんたに変わってあいつを殴ったんだよ…!真剣に生き抜こうとしてたあんたを踏みにじったから!!」
「………な…何だと…!?」