第43章 終焉の歌声
「ヤハハハ!!!雷が効かずともここへ来れねば意味はないっ!!!下へ落ちて“雷迎(らいごう)”の完成を待て!!!ゴムの男!!!」
「エネルは……もうルフィと戦いたくないみたいだね!!」
「そうはいくか!!!」
雷迎が迫ってくるのがよく見える。エネルは本気でこの国を消そうとしているんだ。あんなの食らったら、ここもみんなも無事では済まないだろう。
「スピード上げるよ!!!」
「来たぞォ!!!エネル!!!黄金の鐘を渡せェエエ!!!!」
舟は目の前だ。黄金の鐘は多分舟に乗せてあると思う。ルフィは腕を大きく伸ばして攻撃する体制をとる。
「もうよい貴様ら…!!!ウンザリだ…この大きさで充分だろう…………!!国ごと消えろ!!!“雷迎(らいごう)”!!!!」
舟ばかり追って、ちょっと忘れてた大きな雷の塊。あのエンジェル島を一瞬で消す威力がある技だ。それも近くなっていて、食らったらひとたまりもなく人体は千切れるだろう。
「なまえ、ありがとう。絶対無駄にしねェから!!!」
「え、何………っ、うわ!!」
腰に捕まっていたルフィが、何と、私を、蹴っ飛ばした。怒る、というより驚きの方が大きくてビックリした。ルフィは私を飛び台にすると、エネルの舟ではなく雷迎へと向かって行った。凄いスピードで落ちていった私は、直ぐに近くの雲へと落下した。…………いや、私が作ったんだ。私の手からはモクモクと白い綿みたいのが出てる。…水と氷だから雲も作れるってか?チートかよ。
「……驚かなくなったな、私も……」
雲も作れるって楽だな。今のように上に乗れるんだから、乗り物感覚で使えそうだ。というか、私の能力って何個使えるようになるんだろうか……今の所底なしだぞ。
バリバリ!!
膜放電で思考が止まる。雷迎の中に入ったルフィが何かしているんだろうか。そういえば、ルフィの右手には雷を伝導する黄金があったな……それ、わかっててルフィは入ったのか?そして、しばらくしてから…
「晴れろ〜〜〜〜!!!!ぅうぉぉおお!!!!」
「ルフィ………、」
青空が眩しくて目を細める。あの大きな雷迎を破裂させて消滅させたのだ。やっぱり、ルフィは凄い。これですぐにはスカイピアを消滅させることはできないだろう。