第43章 終焉の歌声
「………なんで、なんで私を頼らないの!!!」
「………、」
「私なら飛べるって言ったじゃん!!!協力するって言ったじゃん!!!どうせみんなもまだ下にいる!!後はルフィ、あんただけなの!!……早く鐘鳴らしたいんでしょ!!?頼ってよ!!!」
私が信用ならないんだろうか。私は確かに怖がりで、いつもこういう役目から逃げてきた。でもみんな黒焦げになって戦った。私だって、命を掛けても仲間を助けるためにできることをやりたい。
「……ごめん。分かった、よろしくなまえ!!」
「…………遅いよ。」
ペコッ、と勢いよく私に頭を下げたルフィ。どう思ってんのかはあとから聞くことにしよう。それより私達が言い合いしてる間に、エネルは最後の手段に出たみたいだ。雷迎……また攻撃する気だ。
「ルフィ、見てあれ。」
「さっきよりでけェぞ!!!あんにゃろう!!!」
「多分、あれでこのスカイピアを終わりにする気なんだよ。黄金の鐘は、きっとあそこにある。向かうべき場所はあそこ!!……ルフィ、できる?」
「…………おう、お前がいんだからできる!!!」
「そ。…………じゃあしっかり捕まっててね!!」
ルフィが腰に捕まったのを見て、勢いよく飛び上がる。こそこそと見つからないように行くのは相手がマントラ使うので無意味だということが分かってる。だからスピード重視で派手に行くことにしたのだ。
「やれやれせっかちな者共だな………なぜ“雷迎(らいごう)”の完成を待てない。仕方ない、ここへ近づけぬ様に…“神の島(アッパーヤード)”を少々砕いておくか…」
ヤバイ、と思ったときにはもうエネルの攻撃は目の前に来ていて。蔓を蹴り飛ばして何とか避ける。心臓物凄いドクドク言ってるんだけど…ルフィは効かないが、私にはめちゃくちゃ効くから止めて欲しい。
「ヤハハハハ!!!貴様らが私の元へ辿り着こうなど、不届きな事だ!!!」
「あいつ………絶対私狙ってんでしょ!!私倒しちゃえばあいつに辿り着く術なくなるもんね!!!」
「大丈夫だ!!!おれが守るから!!」
そう言ったルフィの頼もしいこと。四方から迫ってくる雷に、ルフィが手やら足やらで起動を変えてそらしてくれている。ゴムってそんな性質もあったっけ?でも、ルフィがついていれば当たらない。