第43章 終焉の歌声
「んがーーーーーーーっ!!!」
ルフィは黄金がついてない左手を舟へ伸ばして乗り込もうとしている。片手で黄金つらさげてどうやって乗り込もうとするんだ……しかし、ルフィのその手をエネルは足で蹴り落とした。
「…エネル………!!」
「ヤハハハ……誰がこの舟に乗る事を許した。」
ルフィはそのまま落ちてきた。でっかい黄金も同時に落ちてくるので受け止めるだけは勘弁。死ぬ思いで避けた。
「大丈夫?」
「………あんにゃろ!!!」
「ヤハハハ…どうだった?空から消える間抜けな島を見たか?私が欲するものさえ手に入れたら………あの『雷迎(らいごう)』により、今度はこのスカイピアを丸ごと消してやる。もう逃げる事など誰にも許されない。お前達の真下に佇むいくつかの“声”も然り…この空に不相応な“人の国”を消し去り、全てをあるべき姿に還すのだ!!!それが神である私の務め!!!」
真下に佇む声って……ナミ達まだ逃げてないの?あんなに逃げたがってたのに何で…って考えても無駄か。どっちにしろエネルがこのスカイピアを消し去るって言ってるんだから、私達が戻ってこないと逃げられないし。
「お前の思い通りにさせるかァ!!!」
「ヤハハハ…さらばだゴムの男…もう二度と会う事もない!!!そこで指をくわえて死期を待て!!!もはや誰も私を止められん!!!」
「畜生…!!おれは…!!!ハァ…おっさん達に教えてやるんだ!!!ハァ!!!おれは、鐘を鳴らすんだァ〜!!!」
空を飛んでる敵に追いつく術もなく、でも鐘を鳴らすという目的も捨てきれない。ゴールは目の前にあるのに、どうにも太刀打ちできない。悔しさで半べそをかくルフィに、私は思わず思いっきり殴る。
「何すんだ!!!」
「何となく。ルフィ、エネルを倒したいんでしょ?」
「おう!!!そんで鐘を鳴らすんだ!!」
そこまで目的がハッキリしてるくせに。自分が飛べなくて、エネルにどんどん差をつけられて……半べそをかいてるというのに。目の前に私がいるのに。