第42章 万雷‐ママラガン‐
「ルフィ………ここはやっぱり逃げるべきだと思う。みんなメリー号に向かってるから、私達も………」
「だめだ。」
「………なんで?ナミ以外にここに残る理由ってある?」
「うん、ナミを助けなくてよくなっても、おれにはまだここに用事がある!!」
正直早く逃げたくてたまらないが、ルフィがこんな頑ななのが気にかかる。空島がなくなることに迷ってるの?それとも何かこの島に個人的に守りたいものがあるのかな…
「その用事って?」
「この空に“黄金の鐘”があるんだ!!」
黄金の鐘……ルフィのことだから、黄金を持ち帰りたいとかではなさそう。今現在黄金ならルフィの右手にくっついてるし。そもそも、エネルと戦うってことだよね?雷って……
「……ルフィ、エネルに勝てるの?雷って…」
「勝てる。おれはゴムだから雷は効かねェ。」
ゴムは雷を通さない。能力者でもその理屈は忠実なんだね。雷の攻撃が効かないから、エネルは雷の熱を使って黄金を操ってルフィを封じたのか。黄金操るって、なんて贅沢な…
「ねぇ、時間がないから理由を早く言って!!ちゃんと言ってくれれば私は協力するから!!」
「“黄金郷”は、あったじゃねェか!!!!ウソじゃなかった。ひし形のおっさんの先祖はウソなんかついてなかった!!!だから、下にいるおっさん達に教えてやるんだ!!!“黄金郷”は空にあったぞって…!!!鐘を鳴らせば聞こえるはずだ!!!じゃなきゃおっさん達は!!死ぬまで海底を探し続けるんだぞ!!!」
全ては下にいるクリケットさんたちの為。確かにずっと潜って、潜水病になってしまったクリケットさん。もう一回なってしまったら、死んでしまう可能性だってあるだろう。鐘の音を鳴らせばあったって証明ができる。クリケットさんの気もおさまるはずだ。何より、先祖を信じ続けてよかったって安心するだろう。