第42章 万雷‐ママラガン‐
「間の悪ィ奴め…!!もう時間がねェんだぞ!!!すぐに脱出しねェと!!」
「…いいわ、私がすぐウェイバーで追いかける!!!みんなは何とか先にメリー号へ!!」
「…いや、私が行く。そっちの方が早いもん。メリー号は約束の海岸へつけてあるから、ナミはみんなとメリー号で待っててよ!」
ナミは私を見て、少し考えたあと納得したように頷いた。ウェイバーも早いけど、私がぱぱっと飛んでいった方が早い。ナミの了承を得ると同時に水の力で蔓と平行に飛んでいく。
ズドドドドドォン!!!
その時、島全体に雷が落ちてきた。始まったんだ…この国を潰すエネルの猛攻撃が。その攻撃はアッパーヤードだけでなく、エンジェル島にも降り注ぎ逃げ場などないかのように攻撃が続く。
3回目の雲に辿り着いた。これから先は蔓が焼け落ちている。さっき落ちてたのは先端の部分だったんだな。ってことは、ルフィはエネルと対峙できたってことだ。この辺に落っこってないだろうか…エネルはかなりルフィを嫌ってるみたいだし、舟に乗り込めないように邪魔しそうだ。
「ぎゃあ!!!」
「えっ!?……ルフィ?」
建物が破壊されている。ここが最上階っぽく神の社って呼ばれてたところなんだろうか…なんて考えてルフィを探してたら何か踏んだ。
「え!!?なまえ!!お前何でここにいるんだ!?」
「ごめん、ルフィを迎えに来た!!ナミなら大丈夫だよ、サンジとウソップに助けてもらって今下にいる!!」
どうやら雲に転がっていたルフィを踏み潰してしまったらしい。よく見ると利き手に大きい黄金の玉を持ってる…いや、ついてるといったほうがいいか。何で見えなかったんだろう…
「そうか!よかった!!」
「てことで、早く逃げよ!!みんなメリー号に向かってるからさ…
え?」
エンジェル島の真上に光が射した。いつものような雷の攻撃じゃなかった。雲の隙間から大きな雷雲が球体になって現れた。雷雲って確か、中が物凄い気流と膜放電が発生してるって前ナミに聞いた気がする。そして…
バリバリッ!!!!
物凄い音をたてて、直撃したエンジェル島は…跡形もなく消えた。残ってるのは真っ黒な穴だけだ。エンジェル島の天使のみんなは全員逃げただろうか……コニス、船に戻ってきてるよね?