第42章 万雷‐ママラガン‐
「ご、ごめんなさい。」
「ウソップ!!!」
ナミの姿も確認できた。クリマタクトを持って、エネルと対戦中だったんだ…凄い勇気だ。ナミのお尻には何故かルフィの麦わら帽子があるのが気になるところだが、目的は達成したわけだし…ここからどう逃げるかが問題だ。
「貴様だったのか……船で会ったな。」
「ハァ…ハァ…あ…あれ!?サンジは!?」
「え!?サンジ君!?来てるの!?」
「まだ来てねェのか!?ここにっ!!!」
いや見れば分かるじゃん。サンジどう見てもいないでしょ。おい、チラッとこっち見るんじゃねぇ。バレるでしょうが。
「そうか……」
「こらーッ!!!」
ウソップは敵対するエネルに対してゴクッ、と喉を鳴らしそして……静かにドアを閉めた。サンジがいると思って援護のつもりでドアを開けたのか。うん、ドアを閉めたウソップの足はタコのようにウネウネしてて、ビビってるのが丸見えだ。
「わ、私が行こうか……?」
「ダメだ!!!おれが…………逃げて、逃げてどうする男ウソップ!!!神が何だ!!!」
こんなにビビってるウソップを見てると、全部任せるのもなんか申し訳なくなってくる。幸い私は雷を受けてないし、まだ戦えるので大丈夫だろうと謎の自信がある。しかし、勇敢なる海の戦士を目指してるウソップは震えながらも譲らなかった。しかし……
バリリィッ…!!!
「ぎゃああああああ!!!」
「……っ、」
エネルはウソップが再び出てくるタイミングで雷を撃ち落とした。ウソップは間一髪避けたが、勢いでそのままナミのいる方向へゴロゴロと転がっていった。私も危うく雷に撃たれるところだったが、すんでのところで避けられた。そのまま危ない、と判断し船の奥へと下がる。
「くそっ、どれだけあんだよ!!」
「…………あれ、サンジ?」
「なまえちゃん?……ウソップはどうした。」
うるさい機械の歯車の噛み合わせを1つ1つずらしているサンジを見つけた。どこにいるのかと思えば、こんなところにいたんだね。