第42章 万雷‐ママラガン‐
「……ところで…ナミを助けるって言うけど、作戦とかあるの?」
「そ、そうだぞサンジ!!こんなにバカデケェ舟だ。何百人乗ってるかわからねェ、突飛できるわけねェよ。その上“神(ゴッド)”や神官に出て来られたらもう…」
「えーーい、往生際の悪い!!とにかくいいな、敵は“心綱(マントラ)”を使う!!コソコソしたって意味はねェ!!中に入ったら2手に別れて一気に甲板を目指す!!!ナミさんはそこにいる!!!」
確かに、潜入だと思ってたんだけど相手はマントラ使いだった。本当に手強いよね、どこに居ても場所がバレちゃうなんて…
「何ィー!?バラバラに行くのか!!?」
「バカヤロウ!!!拡散しねェと共倒れになっちまうだろ!!」
「…………!?何だ、そのどっちか死ぬ様な言い方………!!待てお前……!!まさか!!!ナミの為に…」
「いいかウソップ!!!おれは…ナミさんの為ならお前が死んでも構わない。」
「ハリ倒すぞてめェっ!!!」
「さァ行くぞなまえちゃん、待っててナミさん!!!」
「話済んでねェだろ!!!」
しかも私はサンジと一緒なのね。本気でウソップを犠牲にしようとしてることが分かった。でも私は信じてるよ、本当に危なくなったらちゃんとウソップも助けてあげるって。…だよね?
「おおおおい!!!待ってって!!………なまえ、お前だけでもおおおお!!!」
「………………サンジ、私ウソップと行く。」
焦って泣きそう…いや、泣いてるウソップを見て私の良心が痛んだ。ちょっと残念そうにしてるサンジだったが切り替えは早く、気をつけて、と私だけに言うと消えていった。
「………私達も行こう。」
「逃げるって道はねェのか?」
「あんた、仲間を見殺しにするつもり?」
本気で逃げかねないウソップのバックを引っ張って船内へ入る。船内から入れば敵が少ないだろうと見越してだ。船内は機械だらけでゴウンゴウン、とうるさかった。