第42章 万雷‐ママラガン‐

「おれも行くのかあんなトコに！！？」

「っったりめーだ！！！お前っ、アレあるだろ。腹から飛び出すロープ！！！」

「『ウソップアーアアー』なら貸すからおれは…」

「いいから急げっ！！！飛ばれちゃ手が出せなくなるんだぞ！！！今行くよー！んナミさ〜〜〜〜〜ん！！！」

嫌がるウソップを無理矢理蹴り立たせて走り出す。今の2人は包帯ぐるぐる巻で、十分な戦闘力はないと思う。それに…私ももう1人でここにいるのはヤダ。

「待って！！！……私も行く！！」

「えぇ！？なまえちゃんは……」

「舟が飛んだら、誰が舟まで運ぶの？」

私は空を飛べる。その意図を読み取ったのか、最初渋った様子を見せたサンジが納得したように頷いた。おめェが行くならおれ行かなくていいだろ！！駄々をこねたウソップを連れて行くのは大変だったが。森の中に入ると、恐れていた敵などはみんなもう地面に倒れていた。もしかしたら敵はいないのかもしれない……探索チームが森に入って行った時が一番ピークだったように思える。何事もなく森の中を走れた為、思ったより早く舟へ辿り着けたが……ギリギリ舟が地面から離れていた。

「……ハァ、ハァ…2人共、私に捕まって！」

2人が私を掴んだのを確認してから足裏から水を噴射させて垂直に飛ぶ。どんどん地面を離れて舟に近づく度、私の腰辺りを掴んでるウソップが泣き叫ぶ。

「もう降りたい〜〜〜っ！！！これ以上高く上がったら降りられなくなるぞなまえ〜〜！！！」

「いや、目的は舟じゃん。何言ってんのさ…」

「お前…どう考えてもこの舟神が乗ってるぞ！！！」

「“乗りかかった舟”だ！！観念しやがれ！！！神だろうが何だろうが！！ナミさんに指一本触れてみろ…このおれは青海の悪魔と化すぞ！！！うおおおおナミさ〜ん！！！」

「うるさいっ！！！バレるでしょ！！？落とすよ！？」

連れてきたのが間違いだったのか…いや、行きたいって言ったのはコイツなんだけどさ。何が好きで侵入にこんなうるさい2人を連れて行こうと思うか。