第42章 万雷‐ママラガン‐
「……父親……うっ、……なまえさん…私っ、エンジェル島でさっきの方が言ってたことを伝えに行きます!!」
「……わかった、気をつけて!………………ごめん……」
泣きながらもウェイバーに乗り走り出すコニス。本当に、行動派だ。ついさっき父親が消えたのを目のあたりにしたのに、神隊の人が言ってたことをエンジェル島に住むみんなに伝えるために行動できるなんて。……本当に、情けない。
「…スー、私ってダメダメだね。」
「…………スー…」
そんなこと言ったって分からないよね。って自傷気味に笑う。コニスが動いたんだ、私も1人でお留守番頑張らなくちゃ…重たい足を立たせて引き続きウソップ達の看病をする。
看病をし続けて数十分、何事も起こらず済んでいる。しかし突然地響きが鳴り響いた。森を見ると、中心辺りで砂埃がたってるのが見える。船首へと出て目を擦る。少しずつだが…金色に光る大きな舟が出てきた。黄金の舟か…ナミが見たら喜ぶだろうな。
ドゴォォン!!!
船の中に戻ろうと思った時に、大きな音を出してあの舟から光がエンジェル島を襲った。大きな雷だ。コニスがエンジェル島に向かったが、大丈夫だろうか……あの神隊さんが言ってた、還すっていうことを始めてしまったのだろうか。1人でいるから余計不安なことが頭を駆け回る為、ブンブンと頭を振って看病に集中することにする。
「……ん、………あ…………?」
「!!サンジ…?」
頭の濡れタオルを新しく替えようと思ったところでサンジが重たそうに瞼をもちあげた。よかった、これで私1人じゃなくなる!!
「大丈夫?」
「……なまえちゃん。おれは…確か神と名乗る野郎に………」
「うん。黒焦げにされてた。ちなみにナミは間違えて森の中に入っちゃって……私1人。」
「………そうか…おれはレディを1人にさせてたのか……すまねェなまえちゃん!!」
包帯でぐるぐると巻いた頭をグシャグシャして悔しそうに謝ってくれるサンジ。私としては守ってもらったほうが嬉しいので、早く目覚めないか願ってた。それより、今の状況をサンジにも把握してもらわないと。