第42章 万雷‐ママラガン‐
「……あ…あなたはもしや“神隊”の方…!!神・エネルに捕まっていたのですね!?」
「……ハァ……そうだ、我々…は6年間…!!閉ざされた空間で…!!ハァ………ハァ!!」
「……一体何があったのです!!……コニスさん、すぐに手当を。」
「待…!!…待て……!!………!!ハァ…ハァ、エンジェル島に……妻も…子もいる……!!」
「…………ええ、みんな心配していますとも!!!」
コニスが医療箱を取りに行こうと走ったときに男の人は止めた。時間がないのか、話を聞いてほしい様子だったので私が軽く回復をしとく。
「…………!!!知らせてくれ…!!!エネルは…すべてを還す気だ。」
「え!?」
「スカイピアは青海へ落とされる!!この国は…なくなるんだ!!!」
「そ……そんなまさか…」
「もゔ……!!!……時間がない…!!!早く伝えてくれ!!!エネルは…空に住む一切の人間を、消し去る気なんだ!!!!」
消し去る…?みんな地道に殺していくって意味ではなさそう。あんな強さを持ってて1人1人と対峙するなんてあり得ない。ということは、一斉に消せるような能力や考えがあるってことだよね。
「……ま!!……待って下さい!!そんな事をしたら、神・エネル自身居場所さえ…」
「“方舟”がある!!!“方舟マクシム”!!!おれ達は6年間その空飛ぶ舟を造らされ、」
その時、またあの光が来た。こんな森の端にまで裏切り者を許さないなんてエネルも余裕がないのだろうか。神隊の人の近くにいた私はコニスとパガヤさんを助けるような余裕は全くなく、爆発的な水を発生させてその場から離れてしまう。離れる瞬間パガヤさんが残ってたのを見て、しまった、と思った。
ズンッ!!
「パガヤさん!!!!」
「父上〜!!!!」
コニスはどうやらパガヤさんが咄嗟に押して救ったみたいだ。父親の鏡だ。私なんか自分だけ避けて……見殺しにしたようなもんだ。