第6章 海賊狩りのゾロ
「お名前は?」
「……リカ。」
「そっか、リカちゃん。ゾロにおにぎり作ってあげるなんて偉いねぇ。」
「でもいらないって言われちゃったし…おにぎりは……」
「……うーん、でも私はゾロは本当にいらないってわけじゃないと思うよ?」
「………えっ?」
「だって、私達が来たときはお腹が空き過ぎて死にそう〜なんて言ってたんだよ。ね、コビー。」
「…え、あ!はい!」
「本当?」
「うん、だからさ、きっとゾロはあの七バカが来るのがわかってリカちゃんを帰らせようとしたんじゃないかな?」
「……………そうかな。」
「絶対そうだって!リカちゃんはゾロが悪い人だと思ってるの?」
「…お、思ってない!」
「うん、それでいいと思うよ。さ、リカちゃんのお家に帰ろうか?」
ルフィが帰ってきたタイミングでリカちゃんを安全な家まで送り届けてやる。もちろん仲良く手を繋いでね。
リカちゃんの家の前。
「本当!?」
「ああ!一つ残らずバリバリ食ってたよ。」
「うれしいっ!!お姉ちゃん!」
「うん!よかったね!」
ルフィから聞いたことは、ゾロがグチャグチャになったリカちゃんのおにぎりを一つ残らずバリバリと食べたということだった。やっぱりゾロは怖そうに見えてきっと…
「あの人…本当に噂通りの悪人なんでしょうか…」
「違うよだって、あのお兄ちゃんは何も悪いことしてないもの。町の皆は怖がってたけど。捕まったのだって私を助けるためにモーガン大佐の息子が飼ってた狼を切っちゃったからなの!それまでは野放しで狼が町を歩き回ってみんなすごく困ってて…!」
「じゃあゾロが捕まった理由ってのは…あいつの飼い狼を斬ったってだけなのか。」
「そうか…!それもそうですよね。彼の気性の恐ろしさはさておき、賞金首を狙う事が罪になるわけありませんからね。」
「悪いのはモーガン親子よ!少しでも逆らえばすぐ死刑でみんなびくびくしてるの。」
するといつの間にいたのやら、向こうから甲高い声を上げながらやってきた。
「ひえっひえっひえっ!!頭が高ぇっつってんだろ親父に言うぞ!!ロロノア・ゾロみてぇに磔になりてぇか!?3日後にはゾロの奴を公開処刑にする!!みせしめだ、楽しみに待ってろ!」
「3日後?1ヶ月の約束はどうしたんだ!」
ルフィがいきなり反応した。1ヶ月?なんのことだろう。