第41章 神・エネル
「じゃあよ……あのおれ達の動きを先読みするマントラってのにも何か理由が?」
「“心網(マントラ)”か…あれは我輩も使えるわけではないのでな。うまく説明できんのだが…“心網(マントラ)”とは“聞く力”だといわれている…………何やら人間は生きているだけで体から声を発しているらしいのだ。」
「声?」
「うむ…それを聞く事で相手の次の動きもわかるという。さらに鍛えるとより広域まで声を聞ける様になる…神官共は“神の島(アッパーヤード)”全域、エネルはこの国全域までその力が及ぶ。あの力ばかりは得体が知れぬ…」
なるほど……シャンクスさんに教えてもらったことがある。覇気、と言うものだ。それと同じような能力なんだろうな。それにしても、スカイピア全域か…これはいつどこに現れてもおかしくないってことだよね。
「ヤハハハハ……そこにいたのか。」
「「「!!?」」」
「エネル!!!」
え、エネル?あの、神・エネル?背中に太鼓を背負ってる奴?周りに纏ってるのって雷かな…なんかオーラというかピリピリするのは気のせい?駄目だ、動揺しすぎてハテナマーク連発する。
「……クソ野郎が!!!何しに来たんだ!!」
ドクン……!!!
一瞬だった。突然やって来たエネルにパニックを起こす私達に変わって、サンジがエネルに攻撃を仕掛けた。しかし、ピリッと音がなったと思ったらサンジがまる焦げになって倒れてしまった。
「……えっ、」
「サンジ君〜〜〜!!!」
「サンジー!!!ギャ〜〜!!!ギャ〜〜〜!!!うお…お!!おいっ…!!!しっかりしろよ!!!サンジ!!!おい!!!……
…!!!おいっ!!!心臓の音が聞こえねェぞ!!!」
「うそ…」
「……え?……え?何……」
倒れ込んだサンジを揺さぶっていたウソップが泣きながら言った。心臓が動いてないなんて…そんな一瞬で、サンジがやられるわけない。あの神官を倒した奴だよ?
「ヤハハハハ…バカな男だな…別に私はお前達に危害を加えに来たわけではないというのに…」
「ならば何をしに来た!!!」
「ヤハハ、冷たい言い種じゃあないか…実に6年ぶりだぞ…!!!先代“神(ゴッド)”ガン・フォール。」