第41章 神・エネル
「見ておれ。」
「何の為にやるの?こんな事。」
「やれば分かる。その貝を思いっきり砕いてみよ。」
「そーっとだぞ!!サンジ、てめェ甲板に穴でも開けやがったらタダじゃおかねェぞ!!」
「思いっきりやればよい。」
「てめー他人の船だと思ってテキトーな事言うなァ!!!」
貝を砕けるほどの勢いって…ウソップの言う通りメリーに穴あきそうなイメージあるんだけど。でも甲板に穴が空いたら今乗ってるガン・フォールさんも困るはず。
「……まァやれっつうんならやるが…」
「待て〜〜!!!そんなに振りかぶらなくても!!」
サンジが大きく振りかぶった。ウソップはそれに慌てているが…ダイアルにハンマーが当たった瞬間、シュッ、と変な音が聞こえた。しかもダイアルどころか樽も無事。あんなに振りかぶったのに、何処にも傷一つついていない。
「………何やってんだ、いくら加減しろって言ってもおれじゃおまえ…下の空樽すら割れてねェじゃねェか…」
「…いや、おれは思いっきりやったぞ。甲板に穴空けるくらいの気持ちで……!!」
「オイ。」
「なのにこの貝に………まるで衝撃を吸い込まれたみてェに…」
「「「え!??」」」
「では貝(ダイアル)の穴を空樽に向け、裏の殻頂を押してみよ…………」
ボンッ!!!
サンジは言う通りに樽に向けてダイアルを押した。すると…樽はその衝撃で粉々に破裂し、爆風が船を襲った。その衝撃で私達はびっくりし、反射で隠れてしまう。その威力は当の本人も吹き飛ばすくらいである。
「それが“衝撃貝(インパクトダイアル)”。与えた衝撃を吸収し、自在に放出する。本来手の平に手袋やバンテージで固定して使用するのだ。正確にヒットすれば威力は並の人間を死に至らせる力を持つ。」
「…………ウソップ、こりゃあ、」
「……ああ、あのダンゴ神官これを使ってたんだ。」
「ていうか先言っとけ!!!ビビっただろ!!!」
サトリが言っていた打撃とは違う、インパクトというもの。それで打撃が効かないはずのルフィはふっ飛ばされた。確かにあれは衝撃だった、顔が吹っ飛ぶかと思ったもん。ルフィ達の攻撃を上手く吸収してたってことだよね。