第41章 神・エネル
ピエールに噛みつかれるウソップとサンジ。でも正直私もそう思う。でも疑問に思うことがあるのだ。戦いが始まったのが400年前、それまで大地を返そうとか、一緒に生きていこうとか思わなかったの?ビビじゃないけど、そこまでしてヴァースが欲しかったの…?
「そうだな、おぬしらの………言う通りだ…あァ、薬を…すまんな。頂こう………」
「エネルは?何なの?“神・エネル”。」
「我輩が神であった時……どこぞの空島から突如兵を率いて現れ、我輩の率いた『神隊』と『シャンディア』に大打撃を与え、“神の島(アッパーヤード)”に君臨した…6年前の事だ。『神隊』は今、そのほとんどがエネルによって何やら労働を強いられている。詳しくはわからん……だがシャンディアにとっては…神が誰であれ状況は変わらぬ。ただ故郷を奪還するのみ。」
ガン・フォールさん、じゃあエネルに負けちゃったんだ。神官の1人と戦ってほぼほぼ互角、もしくはそれ以上の強さを持っていて…それだけ強いってことなんだろうが…まぁあんなよく分からない能力を持ってちゃ難しいか。
「その“故郷を奪還するのみ”のシャンディアが何でおれ達を狙ってきたんだ。空へ来たとたんに。」
「今労働を強いられていると言った『神隊』、時に船を手に入れ逃げ出す事があるのだ。シャンディアにとっては当然敵である。逃さず排除しようとする…!!それと間違えられたのだろう!!」
「何だ、間違いで命狙われちゃたまんねェな。」
「…………間違いじゃないと思うけども。」
そりゃ最初は間違いだっただろうね。白々海で襲われた時、ナミといた時はきっと間違ったっていうのもあり得る。だけど、さっき骸骨の草原で会った時は完璧に私達のことを認識してた。
「我輩、『空の騎士』となったのもそんな脱走者を他の空島へ無事逃してやる為でもあるのだ。犯罪者ゆえもはやエネルの目の届くこの国にはおれんでな。」
「聞いてりゃ“神・エネル”ってのはまるで恐怖の大王だな。」
「コラコラコラお前滅多な事言うもんじゃねェぞ!!?全能なる“神”は全てを見ているのだ!!!き…聞こえたんじゃねェか!?今、」
「お前はいつからスカイピアの人間になったんだよ。」