第40章 玉の試練
「…え、ちょっ……」
「もう大丈夫さ。ありがとうなまえちゃん。後はおれ達に任せて、船を頼む。」
まだまだ動けないであろう重症なのに、サンジは何でもないみたいに立ち上がった。そして走っていってしまった。まぁ大丈夫っていうんだったらいいか…私の体力も底を尽きかけてるし、やり過ぎると今度は私が倒れてしまう。私はふらつく足をゆっくり立たせて、ウソップを追うべく走った。走るより飛んだほうが早いな…ということで木と同じくらいの高さの氷の上を滑っていると…
ズドォ…ン!!
「うっ、………」
背中から大きな爆発が起きた。おそらくルフィとサンジがいたところだ。背中を押されて自分の氷のルートから落ちそうになる。ぐっ、と踏みとどまって先へ滑っていくと…木の上にいるウソップを発見した。
「ウソップ!!」
「おお、なまえか。あったぞ、出口!!」
「あ、本当だ!やっぱり出口は上なんだね…」
「やっぱりって…なまえも気づいてたのか。そりゃそうだ、おれ達はあんな高ェ所から落ちてきたんだ。出口も同じ高度に決まってる!!出口の根っこを抑えりゃ船のルートなんて関係ねェ…!!急ごう…さっきの大爆発も心配だ、あいつら無事なんだろうな…!!!」
「いや…だからね?私は飛べるんだって。」
「え!?……あ、そういやそうだな。」
何なの、さっきから。ウソップがアーアアーしてる間に船に辿り着いてブレーキ止めたのはなんだと思ってたの?
「だってお前ェ、見た目は普通の村娘だぜ?忘れちまうのも無理はねェよ。」
「………とりあえず、私は船また止めるからウソップは…ルフィとサンジに道案内してあげて。」
「よし分かった!!」
そういってウソップは慌ただしく戻っていった。さっきの大爆発は連なったあの玉が連鎖して爆発を起こしたと考えられる。まぁ、ルフィ達なら大丈夫だろ。それより私はまた船探しをしないといけない。
「……あ、あった!!」
ん?これって出口のルート走ってない?ヤバくない?見つかったからもう大丈夫なんだけどね。飛んでって船に乗り込むと、今度こそブレーキを止める。あとはルフィ達を待つだけだ。