第40章 玉の試練
「……ハァ………ハァ…ウゥ…」
「……だ、ダメだ…もう…!!びっくりしすぎて…心臓が……もたねへ…!!」
隣にはさっきインパクトでやられたルフィとウソップがいた。二人とも重症だが、まだ動けそうだ。
「もはや打つ術もなくなるぞ。お前達の船はもうすぐこの森の出口へ辿り着く!!そしたらもう終わりだとも!!ほほーーう!!お前達が鳥の様に空を飛べない限りここからは出られない!!この森を死ぬまでさ迷い、力尽きて死んでゆくのだ、ほっほーう!!!」
残念ながら空を飛ぶことはできないけど、空を歩くことはできる。だから私がやられない限り大丈夫だろう。ただし、船をUターンさせることはできないけど…
「そんな事になるかァ!!!」
ルフィがまたサトリと戦い始めたところでウソップを治療することにした。まだ意識がある為、そこまで体力は消耗しないだろうという私なりの考えだ。気絶したサンジを回復させるにはかなり体力消耗すると思うので、先に船を止めてもらう人が必要なのだ。
「ウソップ、じっとしてて。今回復させてあげるから。」
「………お前、それ…気絶すんじゃねェか?」
「え?何で…」
あ、そっか。ウソップの目の前で回復能力を使ったのはシロップ村以来だ。確かにあの時は能力に頼りっぱなしだったし、まだ手探りの状態だった。今はあの時よりは体力あるし使いこなせてるので、そうそう気絶はしないと思う…
「あー、大丈夫だよ。ただ、この後サンジを回復させたいから…ウソップには船を止めてもらいたいの。」
「よし分かった。任せろ。」
「…………はい、いいよ。お願いね。」
「サンジを頼む!!」
ペンダントの光がなくなったことから、ウソップの回復は済んだことがわかる。終わった瞬間にウソップはカラス丸が去っていった方向に走り出した。
「ぎゃあああああああああ!!!」
ルフィの声が響く。驚いて見ると、ルフィはなんと大きな玉に追いかけられていた。いや、玉がいっぱい連なってるんだ。あんなのサトリが糸で操ってるだけの玉じゃないか…何遊んでるんだルフィは。そのおかげでサンジをゆっくり回復させてあげることができてるけど。
「………なまえ、ちゃん……」
「あ、サンジ…大丈夫?今動けるようにしてあげるから……」
サンジの意識が回復した。これであとちょっと頑張れば動けるようになるだろう…