第6章 海賊狩りのゾロ
「はっはっはっはっ!!面白い店だったなー!おれ後でもっかい行こう!」
「バカ!!お金そんな無駄にできないよ!!」
「…でも妙ですよ…!僕なんだか不安になってきました…!!いつ脱走するとは限らないロロノア・ゾロの名に過敏になる気持ちは分かりますが…」
「……そうね、何で海軍の大佐の名にまで怯えるんだろ…?」
「さあなー、なんかノリで吹っ飛んだんじゃねぇか?」
「そんなわけないじゃないですか!!!僕は真面目に言ってるんですよ。」
ちょっと不思議が残るけど、私達の目的はコビーの海軍への入隊とゾロの勧誘だ。海軍基地に向かうしかない。たどり着いた海軍基地はめっちゃ大きくて、町を見渡せるほどだ。まあそのくらいあって当たり前か。
「行けよ!コビー。」
「で…でもまだその…心の準備が…!さっきの一件もありますし…あ!ルフィさん!!」
海軍基地を上げていた私だったが、コビーのやや抑えた悲鳴に顔を向ける。ルフィが海軍基地を囲んでる壁によじ登っていたのだ。
「魔獣はどこかなぁ。」
「覗いて見えるようなところにはいないんじゃないの?」
「そうですよ、奥の独房とか。」
「いや!なんかいるぞ向こうに!ゾロってやつかも。」
ルフィについていき、一緒になって壁から覗くと……そこにはハチマキをした強面の男の人が縛られていた。結構怖いね。
「く…く…黒い手ぬぐいに腹巻き!!ほ…本物のロロノア・ゾロです!!なんて迫力だろう…!!あれがゾロ…!!」
「あれがそうか…あの縄ほどけば簡単に逃がせるよな、あれじゃあ。」
「……?もう仲間にするの?」
「…んー………、いや。」
「ば…バカな事言わないで下さいよ!!あんな奴逃がしたら町だって無事じゃ済まないしルフィさんだって殺そうとしますよあいつは!!」
「……ちょっと待ってよコビー。あいつは海賊狩りでしょ?なんで一文も得のない一般市民を殺さなきゃいけないの。」
「え!?いや、それはええっと……」
ちょっと疑問に思っただけなのに、コビーは何か私を驚愕の目で見る。なんか変なこと言ったかいな。すると
「おいお前。」
ゾロがおもむろに話かけてきた。結構声は低い。ルフィが高すぎるのかな?