第39章 神の島
「変ですよね…………『試練』のルート、丁寧に説明したり……ここへ自ら案内したり…まるでここへあなた達を誘導したみたい…」
「あなた!!おやめなさい!!バカな事口にするもんじゃない!!!」
住人の1人がコニスに叫ぶ。……コニスは誘導って言った。周りの人はみんな家に入ったり遠巻きなのがさらに遠巻きになったり……まるで私達から逃げてるみたい。ここへ何かが来ると言ってるもんじゃないか…もし、もし私の考えがあってるなら、コニスが危ない。
「……も、もういいよコニス!!私達なら大丈夫だから!!無理して……」
「逃げてくれませんか…?」
「ねぇ!!やめて!!!」
「ごめんなさい!!!“超特急エビ”呼んだの、私なんですよね…!!!!」
私の止めに入った声がコニスの大声でかき消された。力が抜けて雲に伏せたコニス。泣いて大声で告白してくれたこの事実に驚きを隠せない。
「ナミさん達を連れ去ったあのエビを!?コニスちゃんが!!?」
「犯罪者を確認したら裁きの地へ誘導しないと、私達殺されてしまうから!!!」
「やめたまえ君!!!自分が何を言ってるかわかってるのか!!?神への冒涜だぞ!!!」
「あの女を抑えろ!!!」
「これが“国民の義務”なんですよね…!!!ごめんなさい!!!おかしいですよね…!?……何もかも…!!!」
国民の義務……言わないと殺される。こんな夢みたいな島は、こんなわけもわからない法に縛られていたのか。コニスは、それに耐えられなくて死ぬ覚悟で今私達に伝えてくれている。何で…なんでそこまで。
「バカヤローお前……こうしなきゃ仕方なかったんだろ……!!?じゃあそれを、」
「「「何でおれ達に言うんだ!!!!」」」
ルフィ、ウソップ、サンジの声が重なった。よくできた男達だ。コニスの身を心配して、そこまで必死に咎める人達…いや、海賊なんてコイツら以外にいるだろうか。我が仲間ながら誇らしく思う……なんて思ってる場合じゃないよね。
「ダメだもう…」
「手遅れだ!!!」
「その子に近寄ってはいけない!!!“裁き”が来るぞ!!!」
まただ…この感覚。上から何かが降ってくる。コニスの周りにチリッ、と焼けるような光が落ちてくる。サンジに手を引かれてヤバイ、と思い走る。あの森で見たあの人の光景がフラッシュバックして、心臓がドキドキとうるさい。
