第39章 神の島
「少し前までウェイバーに乗れなかった私が使ってたもので、ウェイバーと違ってスピードは出ませんけど風貝(ブレスダイアル)2コ搭載しています。どうぞ使って下さい!」
「いや……おれはコレよりアッチがいい…!!」
「…イ……イヤですか………?ごめんなさい…ですけど…あれはレンタル船で…私、借りてさしあげるお金がなくて…」
「このクソ恩知らずがァ!!!謝れ!!!コニスちゃんに心から謝れ!!!この人間のクズが!!!」
「ゴパ!!ゴペ…ンバさい!!!」
サンジに蹴られながら一生懸命謝るルフィ。一応私からも悪気はなかった、ということで謝っておいたけども。
「出口は2番ゲートです。“神の島(アッパーヤード)”へ繋がる巨大なミルキーロードへ出られるので…そこを通るだけです…」
「…………おいコニス…………」
「は……はい…」
「お前んち出てからずっと…何でお前震えてんだ?」
「……え………そ……そう……見えますか……?」
「ああ、なんかにビビってるみてェだ…」
ルフィのその言葉にコニスの体が固まった。気づかなかったけど、ずっと震えてたんだ。確かに声は何か震えてるというか、会った時よりも1つ1つ言葉を選んでるような自然な声ではなかった気がした。
「コニスちゃん、あ〜〜〜っ!!おれ達の事心配してくれてんだろォ〜、いじらしいなァ〜〜♡も〜〜〜!!」
「でもよ…おめェらこそ大丈夫か?町の奴らなんてあからさまにおれ達を避けてるくらいなのに、お前なんか船まで貸してくれるし…道案内もしてくれたし………これじゃおれ達と共犯になっちまうんじゃねェか?」
「お前よく見りゃ顔色悪ィぞ…そんなに恐かったんなら言ってくれりゃおれ達だけでここに来たのに。」
「いえ!!私…………!!違いますよ…」
……おかしい。ただ恐いだけなら何故こんなところまで親切丁寧に教えてくれたのか。コニスの息が荒くなっている。私達を遠巻きにして見てた住人達はそんなコニスの様子を見て逃げ出し始めた。何かがおかしい。