第39章 神の島
パガヤさんの家について各々好きなようにちらばった。サンジは机の上にあった食事をお弁当箱に詰める作業をしてたし、ルフィはそれを黙って見てるし、ウソップはパガヤさんから貰った工具を選んでる。私はそれを眺めている。
「あなたがあの船の船大工で?」
「いや違うよ、おれァ狙撃手だ。船大工はまだウチの船にいなくてよ。まァ何つうか、オールマイティーに何でもこなせるおれの器用さにみんな頼って来るってわけだ。参るぜ全く、おれナシじゃあの船は成り立たねェんだ。」
黙って聞いてればあることないことよくまぁ口が回ること。確かにウソップは器用で頭が回るから、こういう細かいところは全部任せてるというのは本当だ。特に船に関してはウソップがこの船の誰よりも大切にしてるから一任してるし。
「狙撃手とはいえ半分船長みてェなもんだからなァおれは…そしてみんなおれをこう呼ぶのさ、キャプテ〜ンウソップ!!」
「キャプテンウソップ、パガヤさんもう聞いてない。」
「なぬっ!!?」
そうなのだ、ウソップの話の半分くらいでパガヤさんの興味は奥でお弁当箱に詰めてるサンジの方へいってしまったのだ。そういう私も外の景色が見たくてウソップから離れてベランダへと出る。風が気持ちいいし、景色もいい。エンジェルビーチが見下ろせて、メリー号も……
「ねぇ……船の様子が変…」
「どうしたんだよ、なまえちゃん。」
「船が…みんななんか騒いでる!!追手がもう来たのかな!?」
メリー号がガクガクと揺れている。みんなもいきなりのことで困惑してるみたいで必死に振り落とされないように船首に捕まってる。
「あァ!!!ナミさん!!!な…なんでTシャツ来ちゃってんのォホホホホホ……!!!」
「どこ見て何喋ってんだおめェは!!!」
「ああ!!船が動き出した!!!何だあいつらどこ行くんだ!!?おお!?後ろ向きで走ってんじゃねェかすげェな。」
ナミのTシャツを見てたサンジを軽く引っぱたいて双眼鏡を奪う。よくよく見てみると…やっぱり誰も操縦してない。変な動きをしてる原因は船の下にいる大きなエビだ。メリー号をしっかり掴まれており、舵が利かないようにしてる
「あれは……!!!“白々海名物”“超特急エビ”!!!!」