第38章 スカイピア
「逆らうなってオイ、ナミ!!じゃあ700万ベリーの不法入国料払えるのか!?」
「700万ベリー!!?高かっ……」
「……よかった、まだ罰金で済むのね…700万ベリーって、高すぎるわよ!!!」
「ナミーーーっ!!!!」
嫌な予感はした。私でもその高さで驚愕したというのに、お金の亡者のナミが素直に払うわけ無いって。そしてビーチに近づいてきていたのにスピードも落ちてないし……そのまま偉そうな人にウェイバーを当てるなんて誰が考えたのだろうか。
「なにやってんのバカ!!!」
「ハッ!!!しまった!!理不尽な多額請求につい……!!!」
「ううぅわわわ……!!ごめんなさい、ごめんなさい!!大丈夫ですか!?」
飛ばされてしまった人に慌てて謝罪する。乗ってた私もきっとこれ同罪だろうから。あそこの島にいた人達よりもまだそんな強そうに見えないし、警察かなんかなんだろう。
「なまえ!!早く逃げるわよ!!」
「結局こうなるのね…………っえ、」
ナミがルフィを引っ張ってメリー号に走っていく。ごめんなさい、で済むことはないなんて分かってるから私も立ち上がって逃げようとした。が、警察みたいな人の近くにいたのが間違いだったのか手を掴まれてしまった。
「待て〜い!!!……逃げ場などすでにありはしない!!!我々に対する数々の暴言、それに今のは完全なら公務執行妨害。第五級犯罪に値している…!!!“神(ゴッド)・エネル”の御名において、お前達を“雲流し”に処す!!!」
「“雲流し”、そ……そんな!!!」
「何だそれ、“雲流し”って気持ちよさそうだな。」
「良くありません!!逃げ場のない大きさの島雲に船ごと乗せられて骨になるまで空を彷徨い続ける刑です。死刑です!!!」
…なるほど。空島に行く前に何もない空から降ってきたガレオン船。もしかしたら雲流しの刑に処されていたのかも。あったのは白骨死体だけだったし、誰かにやられた形跡もなかったのはそういうことか。
「引っ捕らえろ!!!」
「「「「「ハッ!!!」」」」」
隣から警察っぽい人達が弓を引っ張りルフィを狙う。私はもうとりあえず逃げられないのでちょっと見を低くして飛び火を受けないようにする。
「逃げてください!!敵いません!!!」
「よしなさいお嬢さん、それは犯罪者をかばう言動に聞こえますよ。」