第38章 スカイピア
「ナミ!!!避けて!!!」
ズン!!
私達にむけていたバズーカは、私達の頭上に放たれた。私達を攻撃するわけじゃなかったのか……安堵したのもつかの間、爆発の煙からドサ、と人が倒れてきた。
「何?何??」
ナミはパニック状態で半泣きになっていた。かくいう私もそんなに冷静ではない。その人は血だらけで、グッタリとしている。天使の羽がないところを見ると、スカイピアの人間ではなくて青海人なのだろう。
「オイ……!!!助けてくれ…!!!乗せてくれ!!!………ハァ…船に…!!乗り遅れたんだ…!!!頼む!!!礼ならいくらでも…」
「乗るって…でももう2人乗ってるから…!!乗れるかな、わかんない………!!」
「じゃあ私が飛ぶわ、そこから動かないで下さい!!」
助けを求められてナミがさらにパニックになってる。あのバズーカだけでこんなに息が乱れてるわけがない、誰かに追いかけられてた証拠である。とりあえずウェイバーから飛び氷を出して足場を作る。近づくと……男の人が光りだした。いや、男の人が光ってるんじゃない、上から何か降ってきたんだ。
「………うぁあああああ!!!」
ビックリして全力で叫んだ。ちりっ、と何かが焦げる音がした。髪か何かが掠ったのだろうか。思ったより降ってきたそれは大きくて、乗っていた氷を蹴飛ばして必死に避けた。
「ナミ!!木の影に!!」
「………ハァ…ハァ…」
ウェイバーを操縦して木の影に隠れる。パニックを越して冷静になってるナミはほぼ真顔になっていた。地面を背にしてピッタリと隠れる。いつの間にかあのゲリラもいなくなっていた。ゴムで一つ結びをしていたのだが、どうやらゴムが切れたようで髪の毛が落ちていた。毛先が焦げていて、本当に危機一髪だったのだと思う。