第38章 スカイピア
「うぅわわあ、おお!!?走ったぞ!!!」
勢い良く雲の海を走ったはいいが、その後操縦が上手くできないらしくガクガクとウェイバーが揺れる。ウェイバーの揺れに耐えることができなくなり、飛ばされてしまった。
「こけた。」
「この上ない大転倒だな。」
「ああ大変、おケガはないかしら!!?」
「何て事だ、すいませんウェイバーをお貸ししてすいません。」
「そういや能力者にこの海はどうなんだろうな……」
「そうか、普通の海と違うからなァ。もしかして浮くかもしれねェ。」
いやいやいや、そんな冷静に解説してる場合じゃないでしょ。もしルフィがこの海に対してカナヅチを避けられても、ウソップみたいに沈んでしまう可能性があることをわすれたのか。
「沈んだ。」
「ダメか。」
「いいから早く助けに行け!!!」
腕を組んで一連を見てたゾロとサンジを思いっきり蹴り飛ばして強制的に海に放り投げる。万が一にでもルフィが下に落ちてしまった時どうするつもりなんだ。
「……ったく、………あれ?」
ナミが海岸に流れ着いたウェイバーを引き上げて観察していた。そしておもむろにウェイバーの中に乗り込んだ。
「え?乗るの?大丈夫?」
「えぇ、やっぱり気になるのよね。大丈夫!多分私なら乗りこなせるわ。なまえも乗る?」
これ2人乗りではないよね?けど、足場は2人くらい乗れそうな空間はある。ナミにピッタリくっついてればあるいは…私も気になることは気になるので、遠慮なく乗り込む。
「行くわよ、しっかり捕まってなさい!!」
「うん!!」
丁度ゾロとサンジがルフィと帽子を回収して上がってきたところだった。何やら言い合いをしているところを見ると…もしかしたらギリギリのところまでルフィは沈んでいたのかもしれない。何てよそ見をしているうちに凄い気持ちいい風を感じた。
「………え、すご…本当に走れてる!!」
「これ凄い!!楽しい!!」
ナミは明らかにテンションが上がっている。かくいう私もスイスイとバイクのような速さで走ってるウェイバーに上がらないわけがない。やっぱりナミは凄いや。
「おーい!!サイコー♡」
「乗っとる!!!!」
みんなが驚愕してるのが見える。そりゃそうでしょ、これ凄いコツいると思うよ。ナミみたいに天候や海を知り尽くしてる人が乗らない限り直ぐ乗りこなすなんて無理だ。