第38章 スカイピア
「……ん?あれ、ルフィ!!木の上に何か実ってる。」
「ん?お!?何だ変な実だ。」
ルフィはよじよじと猿のようにヤシの木を登り、実ってた実を取った。何をするかと思えばそのまま実に齧りついたルフィ。しかしガキィン!!と金属音が鳴り、みるみるルフィの歯はかけていってしまった。そんな硬い実なんてあるんだ…
「おいなまえ、木の実やるよ。」
「いらん、ウソップあげる。」
「いてェなてめェ!!」
ルフィから貰った木の実だが、硬い食べれない実なんて正直いらない。バスケのパスみたいにルフィから実を受け取ってすぐにウソップにあげた。しかしウソップは余所見していたみたいで、頭にボコと鈍い音を出して当たってしまった。
「ごめんごめん!つい…」
「ついって何だ!!」
怒ったウソップに迫られて適当に謝っているとき、ビーチに綺麗な音が響いた。これは…ハープの音色だ。みんなが動きを止めて音の出処を探す。
「おい、あそこに誰かいるぞ!!!」
「また…!!ゲリラか!?」
「笛!!笛は!?」
「待て違う!!………天使だ!!!」
「天使!!?」
サンジが見つけたようで、指の指す方を見る。誰かがハープを弾きながら立っていた。見た目女の人みたいだから、天使は比喩かと思ったんだが…どうやら違うようだ。確かによく見ると背中に白い羽が生えている。
「………へそ!!」
「………あ!!?」
ん?へそ?……何かとても爽やかに言われたんだけど。挨拶か何かなのかな…そうだとしたらとても変わっている。
「青海からいらしたんですか?スー、こっちへおいで。」
「………下から飛んで来たんだ。お前ここに住んでんのか?」
「ここは“スカイピア”のエンジェルビーチ。ふふっ…それ、コナッシュ飲みたいんですか?」
「ん?」
女の人はルフィが両手に抱えているあの硬い実を指して言った。コナッシュ、っていうんだね。しかも食べるんじゃなくて飲むものなんだ。