第37章 空の海
「10億エクストルってベリーだといくらなんだ?」
「……あの、お金…もし…もしなかったら…………?」
「通っていいよ。」
「いいのかよっ!!!」
随分ゆるゆるな法律なのね。それともこれは罠かなんかなの?なんかさっきさり気なく写真取られたし。
「それに通らなくても……いいよ。あたしは門番でもなければ衛兵でもない。お前達の意思を聞くだけ。」
いや絶対怪しいでしょ。通っても通らなくてもいいって……じゃあなんでさっき10億エクストルおいて行けって言ったのさ。心なしかおばあさんに影が差したようにも見えたし。
「じゃあ行くぞおれ達は空島に!!金はねェけど通るぞばあさん!!!」
「そうかい。8人でいいんだね。」
「…?うん…!!でもよ、どうやって登ったら…」
門を通り抜けようと思った瞬間、雲の下から大きなハサミが現れた。メリー号はキッチリと両側から挟まれて身動きが取れない。というか、浮いた。下を見ると、大きなエビがいたのだ。船をつかむと上にと滝を凄い勢いで登り始めた。なるほど、そうやって登るんだな。冷静に納得している自分が大分空の奇妙な出来事に慣れてきたな、なんて思うのだ。